わずか2年で中止、環境に配慮した潜水業者の認定事業「グリーン・フィンズ」

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屋久島町「これまでと変わるアイデアがない」と2025年度の全予算200万円を減額

事業提案のオーシャナ、2024年度予算900万円から160万円に減額後は入札に不参加

ふるさと納税 海底清掃事業問題

「グリーン・フィンズ」について紹介する屋久島町の特設サイトの画面

ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報などを伝える冊子や動画の制作費に支出された問題――。

この事業の4年目となる2025年度の関連予算をめぐり、町が環境に配慮した潜水業者を認定する取り組み「グリーン・フィンズ」の全予算200万円を減額し、この事業を中止したことが明らかになった。

委託業者の提案で2023年度から継続的な実施をめざして始まった事業だが、2024年度には予算900万円が「高額」だと町議会で批判され、町は予算を160万円に減額。2025年度も続ける予定で予算200万円を計上したが、「前年の活動と変わるものがない」などと指摘を受け、わずか2年で中止に追い込まれた。

グリーン・フィンズはサンゴ礁の保全を目的に、環境に配慮した潜水のガイドラインを遵守する潜水業者を認定する取り組み。国連環境計画(UNEP)が始めたもので、現在は英国の「リード・ワールド財団」が運営している。

2024年度、「高額な人件費」に町議会で批判

町は潜水業者「オーシャナ」(本社・東京都中央区)から提案を受けて、2023年度に「グリーン・フィンズ導入」の予算として約60万円を計上。2024年度からは本格的な実施をめざして、事業費として900万円の予算を確保した。

だが、この事業費900万円に対して、2024年3月の町議会で批判の声が出た。町がオーシャナ1社だけから見積書を取り、そのなかに「主任研究員」の日給7万7000円(税込み)や「経理担当職員」の日給5万5000円(同)といった「高額な人件費」などが計上されていたためだ。

町議会での批判を踏まえ、町は予算を900万円から740万円減額し、2024年度は事業費160万円でグリーン・フィンズを実施。この事業を提案したオーシャナが入札に参加しなかったため、町は別の潜水業者に業務を委託した。

「グリーン・フィンズ」について紹介する屋久島町の特設サイトの画面

2025年度、町内業者から「無理に開いても仕方がない」

さらに2025年度も町は200万円の予算を計上して、町内の潜水業者を対象に研修会を開き、グリーン・フィンズを実施する予定だった。だが、一部の業者から「前年の活動と変わるものがなく、無理に開いても仕方がない」といった指摘があり、町は事業の実施を断念。12月9日に開会した町議会定例会に、グリーン・フィンズの全予算200万円を減額する補正予算案を提出した。

屋久島町議会の定例会で、グリーン・フィンズの予算減額について説明する観光まちづくり課の有馬照幸課長=2025年12月9日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより

事業提案のオーシャナが不在のまま中止に

町内でのグリーン・フィンズ事業はオーシャナの提案で始まり、2023年度については委託業者を選定する競争入札をすることなく、町は随意契約で同社に業務を委託した。続く2024年度も町は、同社だけの見積書を根拠に900万円の予算を計上したが、町議会での批判を受けて、予算を160万円に減額。その後、同社が競争入札に参加しなかったため、町は別の業者と業務委託契約を結んだ。

オーシャナの提案で始まった町内でのグリーン・フィンズだが、実施開始からわずか2年で事業が途絶えることになった。3年目となる2024年度は、予算900万円が160万円に減額されたのち、同社は委託業者を選定する競争入札に参加することもなかった。

担当課「これまでと変わるアイデアが出なかった」

2025年度の事業が中止になったことについて、担当の観光まちづくり課は取材に「グリーン・フィンズのセミナーを継続する予定で予算を計上したが、これまでと変わるアイデアが出なかったため、今年度は実施を見送ることになった」としている。

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