賠償1330万円請求の業者は<あて所に尋ねあたりません> 国庫補助金不正・損害賠償請求訴訟

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裁判所に返送6回、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状

業者不在で結審、町が勝訴しても賠償されない見込み

財産差し押さえの強制執行も難航か

屋久島町役場=屋久島ポスト撮影

屋久島町が水道工事で虚偽の工事完成日を報告して、国から補助金の返還命令を受けた事件をめぐり、町が補助金返還の責任は「工事遅延を招いた業者にある」として、返還額の一部である約1330万円を町内の業者に賠償請求した民事訴訟――。

この訴訟で鹿児島地裁が被告業者に送付した<口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状>の書留郵便が計6回にわたって返送されていたことが、屋久島ポストの取材でわかった。

地裁に戻された封筒には<あて所に尋ねあたりません>というスタンプが押されており、業者の転居先が不明になっている可能性がある。その場合、仮に町が勝訴しても賠償金は支払われないとみられ、業者側の財産を差し押さえる強制執行の手続きも難航が予想される。

屋久島ポストが7月8日、同地裁で裁判記録を閲覧して判明した。

国庫補助金不正・損害賠償請求訴訟が審理されている鹿児島地裁=2026年7月、鹿児島市山下町、屋久島ポスト撮影

被告業者が一度も出廷しないまま判決へ

地裁の記録などによると、町が2月24日付で提訴したのち、地裁は3月23日に<口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状>を送付したが、業者には配達されなかった。その時点で、第1回口頭弁論は5月26日に設定されていた。

ところが業者から答弁書が送られてこないため、地裁は4月22日に同じ文書を再送付したが、業者に届くことなく返送された。その後、5月中に3回にわたって文書を送付したが届かなった。

5月26日に開かれた第1回口頭弁論は業者が欠席のまま行われ、次回期日が7月6日に決まった。そして、地裁は期日を知らせる文書を送付したが、業者に届くことなく返送。7月6日の弁論も業者不在で開かれたため結審となり、7月28日に判決が言い渡されることが決まった。

屋久島町が開示した虚偽の検査調書。工事が未完成であるにもかかわらず、検査所見に「契約図書に基づき良好に施工されている(合格)」と記載されている

転居先不明や財産がない場合は賠償不可能

日本郵便のウェブサイトによると、郵便物が<あて所に尋ねあたりません>として返送された場合は、「あて先の住所に受取人が居住していない」ということを意味するという。

そうなると、仮に町が勝訴しても業者が賠償金を支払う見込みはなく、町は業者側の財産を差し押さえる強制執行の手続きをしなくてはらない。ただ、業者の転居先がわからなかったり、賠償額に相当する財産がなかったりした場合は、町が約1330万円の賠償金を得ることは不可能となる。

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