屋久島町、国庫補助金弁済請求訴訟など4件で訴訟費用554万円に
町、またしても和田久法律事務所に代理人を依頼 着手金は82万円
町監査委員も相談、実質的に町の「顧問弁護士」
国庫補助金弁済訴訟

屋久島町が水道工事の国庫補助金を申請する際に虚偽の工事完成日を報告し、国から約1668万円の返還命令を受けた事件で、町が「補助金返還の責任は工事遅延を招いた工事業者にある」として、業者側に弁済を求めた金額のうち、約1330万円が未回収となっている問題――。
この「損害」を回復するため、来年1月にも提起する損害賠償請求訴訟で町が、鹿児島市の弁護士法人「和田久法律事務所」に訴訟代理人を依頼することがわかった。町が同事務所と代理人契約を結ぶのは4件目。今回の着手金は82万円で、町が同事務所に支払う訴訟費用は4件で計544万円になる。
12月19日に開かれた町議会で、町執行部が明らかにした。

町、弁済に応じない業者に1330万円を賠償請求
この日の議会で町は、弁済に応じない町内の1業者を相手取り、約1330万円の損害賠償請求訴訟を提起する議案を提出し、全会一致で可決された。採決前には訴訟代理人に関する質疑があり、答弁に立った生活環境課の泊竜二課長が、和田久法律事務所に代理人を依頼する予定で、着手金が82万円になることを報告した。
今回の訴訟で、町が和田久法律事務所と代理人契約を結ぶのは4件目で、着手金の合計は544万円になる。町が同事務所に代理人を依頼している訴訟は次のとおり。
屋久島町営牧場 過重労働死訴訟
提 訴:2023年10月
原 告:元職員遺族
被 告:屋久島町
請求額:約7000万円
着手金:330万円
海底清掃事業 住民訴訟
提 訴:2024年6月
原 告:屋久島町議
被 告:屋久島町
請求額:約1700万円
着手金:66万円
議会取材の自由を守る訴訟
提 訴:2025年5月
原 告:屋久島ポスト共同代表2人
被 告:屋久島町
請求額:1円
着手金:66万円
国庫補助金弁済請求訴訟
提 訴:2025年1月予定
原 告:屋久島町
被 告:工事業者
請求額:約1330万円
着手金:82万円

町監査委員の法律相談や住民訴訟の代理人も
和田久法律事務所は屋久島町と関係が深く、2019年末に発覚した荒木耕治町長の出張旅費着服事件では、同事務所の新倉哲朗弁護士が調査や報道対応などを担当した。
また、同事務所が鹿児島県内の町村運営を支援する県町村会の法律顧問をしていることから、海底清掃事業に対する住民監査請求があった際には、町監査委員が同事務所に法的な判断を求めた。さらに、その後に提訴された海底清掃事業をめぐる住民訴訟では、町が同事務所に代理人を依頼するなど、実質的に町の顧問弁護士的な役割を果たしている。
町法務事務専門員「年齢的 体力的」理由で代理人は辞退
屋久島町政をめぐる訴訟では、これまで主に河野通孝・法務事務専門員が町の指定代理人を務めてきた。補助金不正請求事件や町長交際費問題に対する住民訴訟でも、職員の立場で町を弁護してきたため、町は訴訟代理人の費用を負担する必要がなかった。
だが、海底清掃事業をめぐる住民訴訟が提起された2024年6月以降、河野専門員から「年齢的、体力的なことから今後は相談業務に専念したい」という旨の申し出があったため、町は和田久法律事務所だけに訴訟代理人を依頼するようになった。
