JTBパブリッシング、係争中を理由に交通宿泊費などの実費額について「回答を控える」
JTBパブリッシング、住民訴訟で実費額の開示を拒否
屋久島ポスト、開示拒否の理由などを質問
屋久島町海底清掃事業 住民訴訟

ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報を紹介するガイド冊子や動画の制作費に支出された問題をめぐる住民訴訟――。
この訴訟で、同事業を請け負った旅行大手JTBのグループ会社「JTBパブリッシング」(本社・東京都江東区)が審理に必要な情報の開示を拒否している問題をめぐり、同社は1月28日、屋久島ポストが送付した質問状に対し「係争中の案件につき、回答を控えさせていただきます」と答えた。屋久島ポストは事業に支出した交通宿泊費などの実費額について、同社が開示を拒否した理由などを質問していた。
屋久島町「JTBパブリッシングに実費額の開示を拒否された」
2025年11月11日に開かれた口頭弁論で被告の町は、見積書で「実費精算」するとされていた交通宿泊費などの実費額について、「JTBパブリッシングに(実費額を)開示して欲しいと求めたが、拒否されたためにわからない」として、開示できないと説明。訴訟では、事業終了後に町が実費精算をしなかったことに対する違法性が争点の一つになっており、同社の対応が訴訟審理の大きな支障になっている。

屋久島ポストがJTBパブリッシングに送付した質問と、JTBパブリッシングの回答は次のとおり。
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■屋久島ポストの質問(2026年1月22日付)
JTBパブリッシング ブランド戦略室 御中
(前略)この海底清掃事業をめぐっては、屋久島町議会の議員が原告となり住民訴訟が続いています。そして、その訴訟審理のなかでいま、この事業で支出した「ゴミ回収廃棄費用」と「交通宿泊費」の実費額について、鹿児島地裁と被告町との間でやりとりが続いています。具体的には、原告の求釈明を踏まえて、地裁の裁判官が屋久島町に実費額の開示を求めているのですが、町はその要請に応じていません。
原告の町議によると、その理由として町は、昨年11月11日に開かれた口頭弁論で次のように説明しています。
「JTBパブリッシングに(実費金額を)開示して欲しいと求めたが、拒否されたためにわからない」
この説明のとおりだとすると、貴社が屋久島町の協力要請に応じていないため、町が地裁に実費額を開示できず、訴訟審理が進まないということになります。
以上を踏まえて、以下に質問をさせていただきます。
【質問】
●屋久島町が地裁に伝えた「JTBパブリッシングに(実費額を)開示して欲しいと求めたが、拒否されたためにわからない」という説明は、事実として間違いないでしょうか。
・事実の場合→屋久島町にそう回答したのは、いつのことでしょうか。また、どのような理由で拒否されたのでしょうか。
・事実ではない場合→貴社として、裁判所の求めに応じて実費額を開示するおつもりはありますでしょうか。もし、開示に応じないのであれば、その理由もご説明ください。
■JTBパブリッシングの回答(2026年1月28日付)
屋久島ポスト
武田 剛 様
JTBパブリッシング ブランド戦略室です。
期日間際のお返事となり、恐れ入ります。
お問合せいただいておりました屋久島町様の事業につきましては、係争中の案件につき、回答を控えさせていただきます。
なお、本契約に関しましては以前もご回答を差し上げました通り、実費精算を前提としていない総価契約であると認識しております。
どうぞよろしくお願いいたします。
JTBパブリッシング
ブランド戦略室
