種子島 西之表市、自衛隊宿舎建設地のごみ処理問題で住民監査請求【馬毛島基地問題】

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市、国に売却した土地のボーリング調査などに2100万円支出

住民、土地売却後のごみ処理費などの支出は違法

損害賠償請求1100万円 支出差し止め1000万円

自衛隊の基地建設工事が進む鹿児島県の馬毛島(手前)。後方には種子島の西之表市が見える=2026年7月6日、日本エアコミューター機より、屋久島ポスト撮影

米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)にも使われる自衛隊基地の建設が進む鹿児島県西之表市の馬毛島――。

この基地建設に伴い、防衛省が西之表市内で計画している自衛隊宿舎の建設予定地から大量のごみが見つかり工事が中断している問題で、地元住民グループは7月22日、市が土地売却後にごみ処理費などを支出するのは違法または不当だとして、支出に対する損害賠償と差し止めを求める住民監査請求を行った。これを受けて市監査委員は7月23日、正式に請求書を受理した。

自衛隊宿舎建設予定地のごみ処理問題をめぐり、西之表市の和田香穂里市議(左)が住民監査請求書を提出する様子を伝えるKTS鹿児島テレビの映像=2026年7月2日、西之表市役所、KTS・YouTubeチャンネルより(※著作権法32条の規定により報道目的で引用しています)

着工後に大量の廃棄物が見つかり工事中断

自衛隊宿舎は10階建て97戸分で、市が2022年に2260万円で国に売却した用地で建設が計画され、2024年から工事が始まった。だが、着工後に地中から石や空き瓶、古タイヤなどが大量に見つかり、工事が一時的に中断。かつて建設予定地が廃棄物処理場だったことから、同省は他の代替用地を求める一方、市は廃棄物処理場の跡地であることを口頭で伝えていたなどとして、現在と同じ用地での工事継続を要望している。

その後、市は工事再開に向けて2025年に約1100万円を支出し、地中のごみの量などを確認するボーリング調査を実施。2026年6月の市議会では、ごみ処分費用を盛り込んだ補正予算案が承認され、約1100万円が支出される見通しとなっている。

地中から大量のごみが見つかった自衛隊宿舎建設予定地の様子を伝えるKTS鹿児島テレビの映像=西之表市、KTS・YouTubeチャンネルより(※著作権法32条の規定により報道目的で引用しています)

住民「防衛省との交渉内容が全く説明されていない」

市に提出された「西之表市職員措置請求書」によると、住民グループは次の2点について監査を請求している。

①2025年にボーリング調査のために予備費から支出した約1100万円について、市が八板俊輔市長ら責任者に対して損害賠償を請求すること。

②2026年に事業者に代わって(ごみを)処理するために補正予算から支出を予定している約1000万円について、市に対して支出の差し止めを求めること。

請求書では①と②について、「防衛省との交渉内容が全く説明されておらず、自衛隊宿舎建設の再開についても合意されていないようなので、必要性や合理性が全くない支出」だとしたうえで、裁量権の範囲を逸脱または濫用した違法ないし不当な支出だと主張している。

西之表市役所=Wikimedia Commons より

市監査委員、9月半ばまでに監査結果を公表

市監査委員事務局によると、請求を受けて監査委員2人は7月23日に委員会を開き、請求書の内容を確認して、同日付で正式に受理することに決めた。今後は60日以内に監査を行い、9月半ばごろまでには結果を通知・公表する予定だという。

和田市議、国への売却地に市の公費支出「合理的な理由がない」

住民グループの一員として監査請求した和田香穂里市議は、「すでに市が国に売却した土地に対して、市が公金を支出することに合理的かつ正当な理由がないことは明らかだ」として、市は説明責任を果たしていないと主張。住民監査請求が棄却または却下された場合は、住民訴訟の提起も視野に入れているという。

馬毛島基地問題へのご意見
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