屋久島町「多目的交流センター」建設計画の中止を決定
物価高騰で事業費が増大、当初の35億円を「大幅に上回る見通し」
宮浦小の高台移転計画と一体にした整備を検討へ
町長、南部住民と約束した安房大ホールの整備は棚上げ

屋久島町が島北部に建設する予定だった「多目的交流センター」の整備計画が中止されたことがわかった。物価高騰による建設費の増大が理由で、町は今後、老朽化した宮浦小学校などと併せた整備計画を一から検討する。
整備計画では「ホール兼アリーナ」「図書室」……
多目的交流センターは宮之浦地区の宮之浦体育館がある町有地に建設される予定だった。
老朽化が進む屋久島離島開発総合センターや同体育館に代わる施設で、センター内にはコンサートや演劇、スポーツなどができる「ホール兼アリーナ」、図書室、子育てを支援する「キッズルーム」などの整備を計画。2026年度に着工し、2028年度の完成をめざしていた。
「町政に過度な負担を強いるリスク」
計画の中止は、町政策推進課が3月25日に町ウェブサイトで公表した。
ウェブサイトの記事によると、計画を中止した最大の理由は建設費の高騰で、当初に見込んでいた事業費35億円を大幅に上回る見通しになったという。
また、町は同センターの設計(Design)、建設(Build)、運営・維持管理(Operate)を一括して民間事業者に委託する「DBO方式」での整備を予定していたが、業者への調査の結果、コストの削減効果や収益性の確保が困難であると判断。このまま計画を強行すると、「将来にわたって町政に過度な負担を強いるリスクがある」として、計画中止を決めたという。
宮浦小と中央中、津波被害に備えて高台移転へ
一方、町は「新たな解決策」として、老朽化した宮浦小学校の移転計画と一体にした整備を検討する。
宮浦小および隣接する中央中学校がある地域は、南海トラフ地震が発生した場合の津波浸水予定区域に指定されており、高台への移転が課題となっていた。そのため、多目的交流センターの建設が予定されていた高台の町有地周辺に両校を移転させるとともに、同センターの機能を併せもった施設として整備する方針だという。

南部住民「文化施設は町役場がある島東部に建設を」
多目的交流センターの建設計画をめぐっては、島北部に文化施設が集約されることから、南部地域の住民から異論が出ていた。

同センターの整備に合わせて、町は島東部の安房地区にある屋久島町総合センターの大ホールを廃止する予定だった。
だが、南部地域の住民から「文化施設が北部だけでは利用が困難になる」「一つに集約するなら、町役場がある島東部に建設して、全町民が平等に利用できるようにしてほしい」といった要望が続出。荒木耕治町長は2024年9月に開かれた住民との意見交換会で、「必要最低限の整備」で安房大ホールの存続を約束していた。
だが、町は当初の想定より設備の修繕費が高額になることを理由に、2026年度は安房大ホールの整備費の予算計上を見送っている。

■将来的な文化施設の整備に関するご意見
屋久島町が「多目的交流センター」建設計画の中止を決定しました。将来的に島内の文化施設は一つに集約される予定で、これを機会に今後の整備計画を検討する必要があります。読者の皆さまのご意見をお待ちしています。以下URLから投稿できます。
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