JTBパブリッシングのガイド冊子、KADOKAWAと比べて8倍の制作費

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1ページ単価、JTBパブリッシング22.3円に対しKADOKAWA 2.8円

屋久島町、競争入札なくJTBパブリッシングと随意契約

ふるさと納税 海底清掃事業問題

【左】屋久島町がKADOKAWAに業務委託して制作した観光ガイド冊子「屋久島。神秘の島でしたい63のコト」の表紙【右】屋久島町がJTBパブリッシングに業務委託して制作した観光ガイド冊子「るるぶ特別編集 屋久島」の表紙

ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報を紹介するガイド冊子や動画の制作費に支出した問題――。

この事業で制作した観光ガイド冊子「るるぶ特別編集 屋久島」の制作費が、別の事業で町が制作したガイド冊子「屋久島。神秘の島でしたい63のコト」と比べて、約8倍だったことがわかった。

前者は旅行大手JTBのグループ会社「JTBパブリッシング」が随意契約で制作し、1部12ページで2万部を発行して約536万円。これに対し、後者は大手出版社「KADOKAWA」が競争入札で受託し、1部36ページで6万部を発行して約599万円で、ページ数や発行部数を含めて比べると、JTBパブリッシングの制作費は1ページあたりで約8倍だった。

JTBパブリッシング、12ページ 2万部で536万円

情報公開制度で開示された関係文書などによると、町は2020年7月、複数の業者が参加した競争入札を実施することなくJTBパブリッシングと随意契約を結び、海底清掃を主目的にした環境保全事業に約1700万円を支出した。そのうちガイド冊子「るるぶ特別編集 屋久島」の制作費は、カメラマンやライターら関係者の交通宿泊費も含めて約536万円。冊子は12ページで編集され、発行部数は2万部だった。

JTBパブリッシングが制作した「るるぶ特別編集 屋久島」の観光案内ページ

KADOKAWA、36ページ 6万部で599万円

その一方、町は2020年8月、競争入札を経てKADOKAWAと観光広報事業の業務委託契約を結び、観光ガイド冊子「屋久島。神秘の島でしたい63のコト」の制作に約599万円を支出した。この制作費には、カメラマンやライター、モデルといった関係者の交通宿泊費も含まれており、1部を36ページで編集し、発行部は6万部だった。

KODOKAWAが制作した「屋久島。神秘の島でしたい63のコト」の観光案内ページ

両社が制作した観光ガイド冊子の概要は次のとおり。

JTBパブリッシング
「るるぶ特別編集 屋久島」
制作費:536万2500円
ページ数:12ページ
発行部数:2万部

KADOKAWA
「屋久島。神秘の島でしたい63のコト」
制作費:599万5000円
ページ数:36ページ
発行部数:6万部

また、両社のガイド冊子における1ページあたりの単価は次のようになる。

JTBパブリッシング
536万2500円÷24万ページ(12ページ×2万部)=約22.3円

KADOKAWA
599万5000円÷216万ページ(36ページ×6万部)=約2.8円

上記を踏まえ、1ページあたりの単価を比べると、JTBパブリッシングの22.3円は、KADOKAWAの2.8円に対して約8倍となる。

海底清掃事業をめぐる住民訴訟が審理されている鹿児島地裁=屋久島ポスト撮影

ガイド冊子の制作費、住民訴訟の争点に

海底清掃事業をめぐる住民訴訟で町は、「るるぶ特別編集 屋久島」などの制作費について、鹿児島地裁から「正当性」を立証するように求められている。それを受け町は、東京都荒川区が2022年度に随意契約でJTBパブリッシングに制作を委託した「るるぶ特別編集 荒川区あらかわ遊園・尾久」(制作費:約593万円、発行部数:5万部)と比較し、「JTBパブリッシングの見積については正当性が認められる」と主張している。

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