屋久島町、世界自然遺産の森を望む廃墟などに大量の炭化物を長年放置
20年前に稼働の炭化炉から出た炭化物1000トン
燃料として販売予定も品質不要で大量の「在庫」に
町、2026年度に町外への搬出を決定

世界自然遺産・屋久島の森を望む病院と旧ごみ処理場の跡地に、大量の炭化物が約20年にわたって放置されていることがわかった。ごみを熱して処理する炭化炉から出た炭で、屋久島町は燃料として販売する予定だったが、品質不良で計画を断念。屋久島ポストの取材を受けた町は、2026年度にすべての炭化物を町外に搬出することを決めた。
読者から情報「公衆衛生・防災上とても危険な状況です」
大量の炭化物が放置されている問題は、屋久島ポストの読者から寄せられたメールでわかった。
「病院跡は誰でも出入りでき、公衆衛生・防災上とても危険な状況です」
読者の情報をもとに、屋久島ポストの記者2人は2025年11月、町生活環境課の担当職員の案内で、島北部の宮之浦地区にある病院跡を訪ねた。

病院跡の廃墟を埋め尽くす黒い炭化物
コンクリートがむき出しになった病院跡の廃墟に入ると、白い袋に小分けされた計700トンの炭が積み上げられ、各フロワーをびっしりと埋め尽くしていた。長年放置されていたためか、劣化で破れた袋からは炭がこぼれ落ち、白灰色の床を真っ黒に染めていた。また、病院跡の入口は鉄パイプの柵でふさがれてはいたが、高さは1メートルほどで、子どもでも簡単に入ることがきできる状態だった。

担当職員によると、病院跡に残されているのは、2006年に稼働した循環式のごみ処理施設で、酸素を遮断してごみを熱分解する炭化炉から出た炭だという。当初は燃料として町外に販売する予定だったが、悪臭が出るなどの理由で販路が見つからず、約20年の間に「在庫」となって増え続けた。

旧ごみ処理場跡ではトン袋に入った炭が野ざらしに
炭化物の山は、島南部の尾之間地区にある旧ごみ処理場跡にも残されている。
2026年2月に跡地を訪ねて建屋に入ると、「トン袋」と呼ばれる1メートル四方の袋が山積みにされ、開いた袋の口から黒い炭が顔を覗かせていた。さらに建屋の外にも炭が入った多くのトン袋が放置され、生い茂る草木のなかで野ざらしになっていた。


担当職員、詳細な記録なく「どうして、これだけ多く残ったのか……」
町の記録によると、旧ごみ処理場跡にある炭化物は400トンで、病院跡と合わせると計1000トンになる。
大量の炭化物が残された経緯について、町には詳細な記録文書は残されておらず、12年前に町役場に入った担当職員は「どうして、これだけ多くの炭化物が残ってしまったのか、さっぱり経緯がわからない」と肩を落とす。2025年度には福岡県内の業者に販売を持ちかけたが、うまく交渉がまとまらなかった。

担当課長「これ以上は処理を先送りできない」
ごみ処理を所管する町生活環境課の泊竜二課長は屋久島ポストの取材に対し、今年4月から新しいごみ処理施設が稼働することを踏まえ、「これ以上は炭化物の処理を先送りできない」と説明。2026年度の当初予算で約3300万円を計上したうえで、すべての炭化物を町外に運び出し、再利用または廃棄処分するとしている。
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