屋久島町政

荒木町長、物価高支援は「町内に限ることが大原則」と反省【渡辺千護町議 一般質問】

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「Payどん」ポイント付与、6000万円のうち812万円が町外在住者の支援

町外者購入分「町民への直接的な支援にならないと受けて止めている」

旧ごみ処理施設から出た炭化物、搬出費用は3300万円以上の可能性

【左】物価高支援などについて一般質問をする渡辺千護町議【右】渡辺千護町議の質問に答弁する荒木耕治町長=いずれも2026年6月10日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の渡辺千護町議は6月10日の定例会で、「Payどんを活用した重点支援地方交付金」「旧ごみ処理場から排出された炭化物」について一般質問をした。

渡辺町議の質問に対する荒木耕治町長ら町幹部の主な答弁は次のとおり。

1「Payどん」を活用した重点支援地方交付金について

渡辺町議:今回の実施状況について、6000 万円のうちどれくらいの金額がプレミアムポイントとして販売されたのか。全購入者の人数と金額に加えて、地域別(屋久島町とそれ以外の自治体)の人数と金額は?

Payどん支援、町内4615万円 町外812万円

荒木町長:「Payどん」を活用した地域振興券発行事業については、物価高騰の影響を受けている町民生活の支援と、町内事業者と売上に関する地域内消費の喚起を目的として実施しているものだ。

本事業では、一口当たり1000円の購入に対し400円分のプレミアムを付与し、1400円分の地域振興券として町内の参加店舗で利用できる仕組みとしている。発行総数は15万口、プレミアム分の総額は6000万円である。

販売状況については、直近集計値として5月25日現在、全体の購入者数は2941人、販売口数は13万5696口、購入者負担額は1億3569万6000円、プレミアム付与額は5427万8400円、地域振興券としての付与金額は1億8997万4400円となっている。

地域別の内訳については、町民が2453人、販売口数11万5390口、購入者負担額1億1539万円、プレミアム付与額は4615万6000円、付与可能額が1億6154万6000円である。

一方、本町以外の自治体に住所を有する購入者については、購入者数488人、販売口数2万306口、購入者負担額は2030万6000円、プレミアム総額812万2400円、付与可能額は2842万8400円となっている。

鹿児島銀行の「Payどん」アプリを利用した屋久島町プレミアムポイントの案内チラシ

渡辺町議:数字があまりわからなかった。島外の購入者が488名? 6000万円のうち、実際に島外の人が買った金額、もう一度よろしいか。

松田賢一・産業振興課長:プレミアム付与額6000万円のうち、現在、町民が4615万6000円、率にして85.03%で、町外の方が812万2400円、率にして14.97%となっている。

渡辺町議:町外に販売したプレミアムポイントは、町内の一般消費者に対する支援になっていないが、その点について町としての見解は。町内だけにポイントを販売すれば、消費者と事業者の両方の支援になったわけだが、なぜ町外にポイントを販売する必要があったのか?

多くの町民への支援をめざしたが……

荒木町長:町外の方が購入した地域振興券についての町の見解としては、まず本事業は町外の方に積極的に販売することを目的として制度設計をしたものではない。町としては物価高騰の影響を受けている町民生活への支援と、町内事業者への支援を目的として事業を実施しているところであり、できるだけ多くの町民に利用していただくことをめざしたものだ。

一方で本事業を開始した時点においては、Payどんのシステム上、購入者を町民のみに限定する機能が備わっておらず、住所地によって購入を制限することができない仕組みであった。そのため結果として町外に住所を有する方による購入が一定数発生をしたものであり、町が町外販売を積極的に行ったものではない。

また、現在はシステム改修により、地域住民限定での購入が可能となっていると伺っているが、本事業においてはすでに販売を開始し、制度運用が進行している事業である。途中から購入対象者を町民に限定することについては、システム上対応できないことに加え、すでに購入された方や参加店舗への周知内容との整合性など、制度運用上の混乱を招く恐れもあることから、途中での限定措置は極めて困難であると認識している。

屋久島町が実施している重点支援地方交付金の事業を受けて 、町内の各店舗には「Payどん 使えます!」と書かれたの幟旗が掲げられている=2026年3月31日、屋久島町尾之間、屋久島ポスト撮影

消費は町内限定で事業者の支援にはなったけれど

ただし、町外の方が購入した地域振興券についても、利用できる店舗は町内の参加店舗に限定されており、したがって町外者購入券についても、その消費が町外へ流出するものではなく、町内店舗での消費として還元され、町内事業者の売上支援、地域経済の下支えにつながるものでもある。

もちろん町民の生活支援という観点からは、町外者購入分が町民に対する直接的な支援とはならない面があることは、町としても課題として受け止めている。今後、同様の事業を実施する場合には、今回の実施状況を検証し、町民への支援効果をより高める手法を検討したいと思う。

渡辺町議:最初に町外の方が買える、買えないという精査はしなかったのか?

松田課長:鹿児島銀行と打ち合わせをする際に、こちらからその旨は伝えたが、当時はシステム上、難しいということだった。

渡辺町議:今回の重点支援交付金の目的は、本当に物価高で影響を受けている事業者または生活者に支援するものだ。もちろん、屋久島の島民のために使うお金だと思っている。町外の人が買えるとわかった時点で、やめるべきではなかったのか。そういう話はしなかったのかどうか?

松田課長:町民生活の支援という観点からは、町外者購入分が町民への直接的な支援にならない面があることは、町としても課題として受け止めている。

一方で本事業は、町民支援だけではなく町内事業者への支援、町内消費の喚起を目的として実施しているものである。町外の方が購入した場合であっても、その消費が町内事業者の売上として還元される。したがって、町外購入分についても、町内事業者支援としての効果はあるものと考えている。

渡辺町議:一定の事業者の収入は、もちろんあると思う。ただ、町外の方が本当に困っている、物価高に影響を受けている方たちなのか。屋久島に来るとしたら飛行機を使う、船を使う、屋久島に来なきゃいけない。そして、屋久島の事業者の方で、そのポイントを使ってもらう。この交通費を支払ってまで購入する方が、本当に物価高の影響を受けている方たちだと思うのか?

松田課長:先程から申し上げているとおり、事業目的の一つとしては、町内の消費の喚起としているので、その点も含めて事業を開始したところだ。

Payどん支援に多く町民から苦情

渡辺町議:今回、私のところにもかなりの苦情が来ている。その何件かを読み上げたい。

まず、「このPayどん・プレミアム商品券を町民以外の方が購入できると聞いたが本当か?」というのがまず一点。あと、「屋久島に住む町民のための支援ではないのか?」「なぜ、屋久島に国から入った交付金をなぜ島外の方に買わせるのか? 町はどのように考えているのか?」。

また、議員全員に対しても封筒が届いて、文書が来た。この重点支援交付金の仕組みについて、不満の文書だ。読み上げさせてもらう。

物価高支援などについて一般質問をする渡辺千護町議=2026年6月10日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町 町長様 議員様

物価高騰対策支援事業について

本事業は昨年末に国策として決められ、本町にも約2億1000万円余の交付金が配布されました。

されども本町の施策等は余りに遅く、不平等、無定見で町民に過度の負担を強いるものです。その効果は期待できず、更に町民を差別し分断を招き、民主主義の原理に反し、基本的人権(平等、生存)を保障する憲法に反します。

以下、理由を述べます。

一 不平等

「キャッシュレスで地域を応援! プレミア商品券」「ポイントカード会普及支援」事業の実施により全町民1万1000余人中約 3000人の2万5000円受益者、約5000人の5000円受益者、約3000人の不受給者の不平等を生むと考察します。

不受給者の大多数は社会的弱者(高齢者、未就学児、病人、経済困窮者等)で、本支援策で第一に救済されるべき人達です。

二 無定見

本支援事業は、交付金の趣旨に鑑み、物価高騰対策一点のみに迅速に施策すべきです。

キャッシュレス・ポイントカード、子育て支援等の施策は他の財源で他の事業として実行すべき!

同時に実行する事により遅延を招き、町民に手続きや預金等、過度の負担を強いています。

また、本交付金にて前述の事業を実行する事は裁量権の拡大解釈で、町民に不利益となります。

本町の地理条件、社会構造を考察し、使用方法等についても考慮すべきで、その配慮が感じられません。

よって、以下を要望いたします。

天災、有事、パンデミック等に依り、本事業と同様のケースが今後たびたび起こると考えますため、マイナンバー制度を考慮した支給方法を構築して欲しい。

選良の皆様は当町のリーダーとして、ノブレスオブリージュの精神で当町が町民が誇りの持てる町にしてください。

こういう内容だ。この文書が各議員に届いている。町長にも届いるか?

松田課長:町にも届いている。

物価高騰支援の現金給付に関する渡辺千護町議(手前)の一般質問に答弁する屋久島町の荒木耕治町長(右から2人目)=2026年6月10日、屋久島町議会、屋久島ポスト撮影

渡辺町議:町長、今回の交付金の支援内容、支給方法について、どのような評価をされているか?

荒木町長:今あの、議員が色々申し上げる、私にもいろいろと、今回の、町内に限ってやるということは大原則だったと思っている。ですから、その反省も踏まえて、次回からは近隣町村との整合性も取りながら、町民中心にやっていきたいと思っている。

渡辺町議:国からの交付金は残り7500 万円だと聞いているが、今後の支援方法は? 多くの町民からは、全町民に現金を平等に配布してほしいという声が上がっている。具体的にどのような方法を考えているのか? すでに同僚議員が総括質疑で6000円の現金給付と聞いているが、支給時期はいつになるのか?

現金支給6000円、9月末以降に銀行口座に振り込み

荒木町長:現金6000円の給付方法としては、世帯ごとに指定口座に振り込むこととしており、給付の辞退および指定口座の確認作業を行ったうえ、早ければ9月末ごろから、口座が確認できた方から順次振り込みをする予定だ。

渡辺町議:6000円をもらえるということで、町民の高齢者の方は、本当に喜んでいた。「たまごが2パック買える」とか「米が買える」とか。年金をもらっている高齢者は、現金をもらった方が本当に助かる。できれば最初にしてほしかったと思う。

ただ今回、プレミアム商品券、ポイントカード、現金給付と三つになるが、かなりの手数料、また事務経費がかかると思う。どのくらいかかったのか?

松田課長:いま手元に資料がないが、400万円から500万円ぐらいだったかと。

町長、今後は「町民の方を向いて物事は進めたい」

渡辺町議:国としては、物価高騰がずっと続いているので、もしかしたら次の交付金が各自治体に下りる可能性がないわけではないと思うので、次はですね、本当に。

よく、町長は「町民との対話が一丁目一番地」と言っている。ぜひ町民と対話して、町民がどうしてほしいのかを聞いていただきたいと思っている。

今回のことをきちんと検証して、本当に必要なところに支援が行き届けるようにしてほしい。担当課以外でも話し合って、どのようにしたら住民が喜ぶだろう、支援ができるだろうというと、取り組みをしていただきたいと思う。

町長、町民と対話をしてほしいと思うが、いかがか?

荒木町長:町民の方を向いて、物事は進めていきたいと思う。

渡辺千護町議の質問に答弁する荒木耕治町長=2026年6月10日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

2 旧ごみ処理場から排出された炭化物について

渡辺町議:宮之浦の旧病院跡と尾之間の旧ごみ処理場に保管されている炭化物について、今年度中に約3300万円の予算で町外へ搬出する予定だが、具体的な方法や予定などの詳細は?

荒木町長:炭化物の処分については、議決いただいた予算に基づき、現在具体的な処分方法等の検討および契約時の準備を進めているところだ。現時点では、処分を委託する業者の選定や契約締結には至っておらず、搬出方法や処分時期、処分費用などの詳細については未定だ。

一方で、保管中の炭化物については、一部袋に劣化が見られることから、安全かつ適正な搬出を行うため、必要に応じてフレコンバックの詰め替え作業を実施することにしている。そのうえで、搬出可能な数量がまとまった段階で、島外への搬出および処分を進める計画としている。今後、処分業者の選定や契約内容が確定した段階で、具体的な処分方法やスケジュール等について整理し、適切に対応したいと思っている。

病院跡にある廃墟のフロワーに山積みされた炭化物。劣化で破れた袋からは、真っ黒な炭が床にこぼれ落ちていた=2025年11月、屋久島町宮之浦、屋久島ポスト撮影

渡辺町議:まだ準備中で、今から業者を選定していくということでわかった。予算は3300万円で。

私、現場を見てきたが、2階部分ですかね、3階部分もあって。フレコンバックがズラーッと並んでいました。予算として3300万円で足りるかどうか? この予算、私はすごく嬉しい。町民から苦情がいっぱいある。景観も良くない。今後の予算はどうなるのか?

搬出費用、3300万円超なら「補正予算または新年度予算で計上」

泊竜二・生活環境課長:今年度、まだ契約事務を執行していないが、早急に手続きを行いたい。そのなかで契約が締結することになると、大体の準備費用がわかってくると思う。本年度は3300万円を計上しているが、例えば費用が見込めない場合については、補正予算で計上したり、また新年度予算で計上したりしたい。契約後に大体目途がつくので、この手続きを行って、適切な処理を行っていきたいと考えている。

渡辺町議:今までは「炭化物」で業者へ出したいという話を聞いてきた。今回も有価物として取り扱うのか?

泊課長:有価物としての判断は、厳しいかなと思っている。

渡辺町議:約20 年間にたまった炭化物は、当初は燃料として販売する予定だったと聞いているが、なぜこれほど大量に残ってしまったのか?

旧ごみ処理場跡にある建屋には、炭化物が入った「トン袋」が大量に残されていた=2026年2月18日、屋久島町尾之間、屋久島ポスト撮影

品質不良に高い輸送コストで販路が開拓できず

荒木町長:主な要因としては、炭化物の品質に問題があったためだと考えている。熱源として利用する予定だったが、品質があまり良くなく、結果大量に残る状態になった。炭化物は品質の均一性などが重要だが、一般廃棄物以外の炭化物は品質が安定しにくく、利用先が限定されるため、利用先需要の確保が難しかったことも要因ではある。また石炭代替燃料などへの利用が考えられるが、離島の屋久島では輸送コストが高く、結果として販路が開拓されず、炭化物が残る事態となったと考えている。

渡辺町議:品質が悪かった、輸送コストがかかる、というのはわかった。ただ長い年月、そのままにしていたことが問題だ。早く搬出しなくてはいけない、残してはいけない、という話し合いはなかったのか?

泊課長:有価物としての搬出を念頭に事務処理を進めてきた関係で、なかなか相手先が見つからず、こういった状態になってしまった。その後、もう有価物としての販売は厳しいということで、今年度は処分費用として3300万円を計上させていただいたところだ。

渡辺町議:当初は循環型のごみ処理施設として導入されたわけだが、炭化物が販売できなかったということは、施設そのものに不良があったということになる。その点について、町は調査と検証を行っているのか?

【左】山積みになった袋から炭化物がこぼれ落ち、コンクリートの床を黒く染めていた【右】劣化して破れた袋から顔を覗かせる炭化物=いずれも2025年11月、屋久島町宮之浦、屋久島ポスト撮影

「当初想定していたかたちで再利用できなかった」

荒木町長:当該施設については、当初、炭化炉でゴミを炭化処理することにより、生成される炭化物が熱分解装置の熱源として有効利用する計画や、循環資源として幅広い用途を検討している。

しかしながら、運転を続けるなかで生成物の品質や安定した利用などの面で課題が生じ、当初想定していたかたちでの再利用が十分図られない状況となった。そのため、町としては、生成された炭化物を外部で有効利用する方策として、熱源等として利用を検討していたが、実際に利用先の確保や需要とのマッチング、品質面で求められる条件への対応、輸送コストなど複数の要因が重なり、継続的な販売には至らなかった。町としても施設運営のなかで、安全事業者との協議等を行いながら対応を進めてきたが、安定化の確保が困難であったことから、結果として販路の確立には至らなかったものだ。このため、単に設計や施工だけの問題として整理できるものではなく、炭化物の利用環境や流通条件なども含めた総合的な課題があったと認識している。

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