屋久島町政

お茶の有機農業、屋久島ブランドの重要な柱として持続可能な農業経営の実現を図る

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屋久島タンカン、高木から低木への改植が喫緊の課題

子ども版路線バス利用助成「公平性や制度運用の観点から難しい」

日高好作町議 町議会定例会一般質問

【左】農業振興などについて一般質問する日高好作町議【右】日高好作町議の質問に答弁する荒木耕治町長=2026年3月12日、屋久島町議会、町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の日高好作町議は3月12日の定例会で、「農業振興」「子育て支援」について一般質問をした。

日高町議の質問に対する荒木耕治町長の主な答弁は次のとおり。

農業振興

日高町議:県はお茶の有機栽培強化を令和8年度の方針として打ち出しているが、本町での農作物の有機栽培の実態について、現状と課題を伺う。

荒木町長:本町における有機栽培の面積については、県屋久島事務所と連携のうえ、毎年実態把握を行っており、面積は着実に拡大している状況だ。

とりわけお茶については、有機栽培に取り組む生産者は町内農業者の大半を占めており、屋久島の豊かな自然環境や世界自然遺産のイメージと相まって、販売はおおむね安定していると考えている。観光客からの評価も高く、クルーズ船寄港時には屋久島高校ビジネス科の生徒と連携した販売活動を行うなど、地域一体となった取り組みも進めているところである。

一方で、有機栽培は慣行栽培と比較して収量が低い傾向にあり、安定生産という観点から課題が残されている。また除草作業を中心とした労働負担が大きく、高齢化が進む本町の農業構造においては、省力化対策が重要であると認識している。

収量向上対策としては、土づくりの強化が不可欠であることから、島内畜産農家との連携によるたい肥活用を推進しているところだ。本年2月には屋久島黒豚ファームのたい肥が有機肥料として登録され、島内の一部のお茶農家において有機飼料として利用され始めたところであり、島内資源を活用した地域循環型農業の具体的な取り組みが進んでいる。町としても、来年度予算で構築連携推進にかかる経費を計上し、島内資源循環の仕組みづくりを強化していく。

除草対策については、現状は人力に頼っている状況であるが、国内の先進事例も踏まえながら関係機関と連携し、本町に適した省力化技術の導入について検討していきたいと考えている。

本町としては、有機農業を屋久島ブランドを支える重要な柱として位置づけ、地域循環型農業の確立に向け関係機関と連携しながら、持続可能な農業経営の実現を図っていきたいと思っている。

屋久島東部のお茶畑

日高町議:果樹の改植事業において、苗木購入で重要視されるのが台木の選定であると聞く。台木と生育、収量、品質の検証はどのように行われているのか伺う。また、施肥量によっての収量・品質の検証はなされているのか伺う。

荒木町長:本町の果樹の現状については、高齢化が進行し、生産性の低下が見られている。また従来型の高木園では作業性が悪く、高齢生産者による収穫作業中の落下事故も発生をしている状況であり、安全性の確保と産地維持の観点から、改植は喫緊の課題であると認識をしている。

このため、若手生産者を中心に低木密集型への転換を進めており、JAと連携しながら果樹経営への支援対策事業を活用し、計画的に改植を進めているところだが、改植にあたっては、これまで台木品種であるカラタチより樹勢が強いトロイヤーシトレンジとスイングルシトルメロの選定をしている。理由としては、県の農業開発総合センターの試験結果において、カラタチ台木と比較し冬季の落葉が少なく、収量が安定するなどの成績が発表され、本町で課題となっているタンカンの隔年欠果対策に効果が期待できることや、生育が旺盛であり、早期の成園化や生産量の増加も期待できることから導入しているところだ。現在、試験園においても複数品種を試験的に導入し、地域適応性の検証を進めているところだが、強勢台木の特性として栄養成長が優先し、着果が進みにくい状況も確認されており、枝曲げなどの管理技術を取り入れながら。花芽の形成の促進に努めていきたいと思っている。

また、技術的な検証については試験園も活用し、関係機関と連携した実証および技術研修を引き続き実施するとともに、先行地である奄美地域の事例調査も引き続き実施をし、技術水準の向上を図っていく。収量および品質については、改植初期段階ではあるが、関係機関と協力して果実調査を実施し、データの蓄積と分析を行っていく。構築連携によるたい肥還元も含め、試験園を活用した実証試験を行い、試験結果をもって生産者に技術普及を図ることで、屋久島タンカンの生産量の増加、品質向上に努めていきたいと思っている。

屋久島名産のタンカンの収穫

子育て支援

日高町議:働くお母さんたちの間で、子どもの習い事に通うための子ども版路線バス利用助成の要望があるが、実施の方向で検討できないか?

荒木町長:質問の件についてはこれまで要望等がなく、今回初めてこのような声があることを知ったところだ。内容について、負担の大きさなど事情は十分理解するが、習い事に通う子どもだけを助成するというのは、慎重に検討する必要がある。財政面はもちろんだが、公平性や制度運用の観点から、現時点においては実施することは、なかなか難しいと考えている。

日高町議:現状、子どもたちの間で今一番の人気はダンスだ。ダンススクール。それで、サムズの部屋を借りて、種子島から先生が来ているそうだ。もう一つは尾之間の先生がいて、そこでもダンスを習っている子どもたちがいる。私もたまたまサムズに行くときに、その場面を見たが、本当にすごい熱量を感じた。

永田から尾之間の先生に習いに来る子どもがいるそうだ。親は送り迎えができないので、きょうだい2人でバスに乗って。そういったなかで、やはり路線バスを使っていると、往復2人となると簡単に4000~5000円になる。そこまで使って子どもにやりたいことをやらしてる。ある意味、立派な親でもあると思う。

また一方で、宮之浦や安房では、子どもは比較的多い。スポーツ少年団などは学校の敷地内でできるが、栗生などではそういう子どもが少ない。神山小の児童たちはサッカーを尾之間の運動広場やっているらしい。それで、そこに行ってみんなと一緒にサッカーをやりたいけれど、親が送り迎えできなくて、断念している子もいるという話も聞いている。

やはり、地域差によって不平等というか、子どもたちが本当にやりたいことをやれない環境があるということは、是正しなくてはいけないと思うが、町長はどう思うか?

荒木町長:難しいと思うが、例えば部活でやるとか。結局、ダンスというのは民間個人でやって、ここで何らかの授業料を取って、多分やっているのだと思う。それから、この間の産業祭を見てもそうだが、フラダンスなどいろいろな踊りの人たちがいっぱいいる。だから、それを距離的に長いからということで、なかなか今のところは、どのようにしてやればいいのかというのは難しいと思っている。

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