屋久島町政

屋久島町、法務事務専門員の相談に1件で12万円

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訴訟対応をしなくなっても報酬は年144万円のまま

町、年間の法律相談は12件のみ

2024年度以降、訴訟の弁護士費用に別途214万円支出

屋久島町役場

屋久島町の法務事務専門員への相談件数が、2025年度は計12件だったことが屋久島ポストの取材でわかった。専門員の報酬は年144万円で、1件あたりの相談料は12万円。2024年度から専門員は「高齢」を理由に訴訟への対応をしなくなったが、報酬はそのまま据え置かれており、町は高額な法律顧問料を支出していることになる。

町総務課によると、町が2025年度に河野通孝・法務事務専門員に相談したのは計12件で、町議会一般質問での答弁や町立学校でのトラブルなどに対する助言だった。なかには、民間の弁護士が代理人を務めている町営牧場過労死訴訟に関する相談が2件あり、実質的に町が河野専門員に相談すべき案件は10件だったことになる。

法務事務専門員、かつては年144万円で訴訟代理人も担当

屋久島町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例」によると、法務事務専門員の報酬は月額12万円と規定され、年間の報酬は計144万円。このなかには、一般的な法律相談に加えて、町が関係する民事訴訟や住民訴訟に対応する報酬も含まれていた。

これまで河野専門員が指定代理人を務めた主な訴訟は次のとおり。

・山海留学での体罰をめぐる損害賠償請求訴訟 2件(2018~2019年)

・入山協力金横領事件をめぐる損害賠償請求訴訟(2020年)

・国庫補助金不正請求事件をめぐる住民訴訟(2022~2025年)

・町長交際費をめぐる住民訴訟(2022~2024年)

鹿児島地方裁判所

2024年以降、「高齢」など理由に訴訟対応はせず

これらの訴訟で河野専門員は、元弁護士としての経験を活かし、町職員の業務として指定代理人を務めてきた。だが、2024年以降は「高齢」などを理由に訴訟への対応をしなくなったため、その後に提起された訴訟で町は、鹿児島市の和田久法律事務所に代理人を依頼するようになった。

2024年以降に町が同事務所に代理人を依頼した訴訟と着手金は次のとおり。

・海底清掃事業をめぐる住民訴訟(2024年~):66万円

・「議会取材の自由を守る」国家賠償請求訴訟(2025年~):66万円

・国庫補助金不正請求事件をめぐる損害賠償請求訴訟(2026年~):82万円

上記3件の訴訟で、町が支出した着手金は計214万円となったが、これまでどおり河野専門員が指定代理人を務めていたら、町の公費から負担する必要がなかった訴訟費用である。

弁護士事務所の顧問料、相場は5~15万円

それでは、屋久島町のような自治体が、正式に日本弁護士連合会に名簿登録した弁護士と顧問契約を結ぶと、どのくらいの費用がかかるのか。

その1例として、ネット検索で筆頭に出てきた弁護士法人「咲くやこの花法律事務所」(大阪市)のウェブサイトを見ると、二つの契約プランが示されている。

・自治体向けフルサポートプラン(月額顧問料10万円/相談分野、相談頻度の制限なし)

・自治体向け顧問契約基本プラン(月額顧問料5万円/※3分野のみ対象/週に1~2回程度のご相談が目安)
※3分野:債権管理・債権回収のご相談/行政対象暴力、行政への不当要求に関するご相談/地方公務員の勤務条件・懲戒処分・分限免職など労務管理に関するご相談

その他の弁護士事務所の例を見ても、「自治体向けフルサポートプラン」の相場は概ね10~15万円。それに比べ、2025年度に屋久島町が支出した相談1件につき12万円は極めて高額な金額となっている。

町総務課「町としての見解を検討する」

法務事務専門員の報酬が高額だとする屋久島ポストの指摘に対し、町総務課は「これから町としての見解を検討する」としている。

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