訴訟5件 着手金だけで計610万円、屋久島町に重くのしかかる訴訟費用
町、5件すべて同じ法律事務所の弁護士と代理人契約
別途支出、訴訟対応なしの法律顧問に年144万円

屋久島町が当事者となって係争する訴訟が5件となり、代理人弁護士の着手金だけで計610万円を支出していることが屋久島ポストの取材でわかった。いずれも鹿児島市の弁護士法人「和田久法律事務所」に所属する弁護士と契約。これに加えて町は、訴訟対応をしない法律顧問の法務事務専門員に年144万円を支払っており、訴訟や法律などに関する公費の支出が重くのしかかっている。
地籍調査の違法確認で5件目の訴訟
同町の荒木耕治町長は6月8日の町議会で、国土調査法に基づく地籍調査をめぐり、口永良部島に在住する町民から調査の違法確認を求める行政訴訟が提起されていることを明らかにした。
町総務課によると、この訴訟の代理人は同事務所の新倉哲朗弁護士で、すでに着手金として66万円を支出。成功報酬は「別途協議」する契約となっており、裁判終了後に追加の訴訟費用が発生する見込みだという。

職員過労死や議会取材禁止などで訴訟4件
今回の提訴で、町が当事者となって係争する訴訟は5件となった。いずれも新倉弁護士と代理人契約を結んでおり、着手金として支出した訴訟費用は計610万円になった。
町営牧場で過労死した職員の遺族が提訴した損害賠償請求訴訟で町は、着手金として330万円を支出。ふるさと納税の寄付金を活用した海底清掃事業をめぐる住民訴訟と、議会取材の禁止に対する国会賠償請求訴訟では、それぞれ66万円の着手金を支払った。
また、町が水道工事の完成日を偽り、国から補助金の返還命令を受けた問題で町は、「補助金返還の責任は工事が遅れた業者にある」と主張。今年1月、工事業者に約1330万円の損害賠償を求める訴訟を提起して、着手金として82万円を支出した。

町法律顧問、2023年度までは訴訟対応もしていたが……
これらの訴訟費用に加えて町は、元弁護士の町民で、法律顧問を務める法務事務専門員を雇用しており、年額で144万円の報酬を支出。2023年度までは訴訟対応も依頼していたが、高齢などを理由に辞退されるようになったため、2024年度からは新倉弁護士に代理人を依頼している。
町が当事者として係争している訴訟は次のとおり。
屋久島町営牧場 過重労働死訴訟
提 訴:2023年10月
原 告:元職員遺族
被 告:屋久島町
請求額:約7000万円
着手金:330万円
海底清掃事業 住民訴訟
提 訴:2024年6月
原 告:屋久島町議
被 告:屋久島町
請求額:約1700万円
着手金:66万円
議会取材の禁止 国家賠償請求訴訟
提 訴:2025年5月
原 告:屋久島ポスト共同代表2人
被 告:屋久島町
請求額:1円
着手金:66万円
国庫補助金弁済請求訴訟
提 訴:2026年2月
原 告:屋久島町
被 告:工事業者
請求額:約1330万円
着手金:82万円
地籍調査違法確認 行政訴訟
提 訴:2026年2月
原 告:町民
被 告:屋久島町
請求額:――――
着手金:66万円
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