屋久島町政

折田汽船「フェリー屋久島2」後継として中古船の購入を検討中【渡辺博之町議 一般質問】

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屋久島町、中古船調達に対する町の財政支援が「最もスピードが速い」

避難所となる永田小学校のトイレは屋外、高齢者は屋内にトイレがある別施設に誘導して対応へ

保育園留学制度に多くの要望、魅力ある島として移住促進の体制づくりをする

【左】航路問題などについて一般質問をする渡辺博之町議【右】渡辺町議の一般質問に対して答弁する岩川茂隆副町長=いずれも2026年9月17日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の渡辺博之町議は9月17日の定例会で、「避難所の環境」「航路問題」「人口減に抗う政治姿勢」「福祉充実」について一般質問をした。

渡辺町議の質問に対する岩川茂隆副町長の主な答弁は次のとおり。

1 避難所の環境について

渡辺町議 避難所施設は単なる避難の場所ではない。短時日であっても「生活」が存在する場所である。改めてこの立場で全体を検証するとともに、町指定の避難所となっている永田小学校では、トイレが外にある問題がある。これへの対応を問いたい。

岩川副町長 永田小学校に限らず北部の学校については、トイレが外に設置をされている。確認したところ、永田小学校では体育館に空調設備がないため、指定避難所として使用する場合、空調のある幼児学級の教室を使用しているようだ。トイレについては、普段幼児学級の子どもたちが使用する教室の外のトイレと、児童や先生方が利用する体育館側の校舎横に併設されたトイレがある。どちらのトイレも通路は屋根掛けで吹き抜けであるため、風雨が強い場合は距離の短い体育館側のトイレを使用しているようだが、どちらも2段ほどの段差があるため、高齢者によっては介助を要すると聞いている。

なお永田地区の避難所についても、この他に永田果樹会館、ふるさと創生会館の2カ所も指定しており、こちらはトイレも施設内に設置されているので、特に高齢者の方々などにはこちらの避難所へ誘導するよう、集落や消防団等とも連携して対応していきたいと考えている。

屋外にトレイが設置されている屋久島町立永田小学校(中央)=Google Earth より

2 航路問題について

渡辺町議 議会前に行政と関係機関、町民が一体となって行われた署名活動が行われたことの意義は大きい。その結果について報告願いたい。

岩川副町長 町報8月号に同封された屋久島-鹿児島間フェリー航路の安定的な航路維持および代替・新造建造の早期実現を願う署名の依頼は、町商工会、種子屋久農協、漁協屋久島支所、森林組合、建設業協会屋久島支部、区長連絡協議会、観光協会の7団体が実施したものだ。取りまとめられた署名は島内5247人、島外8863人の合計1万4110名という報告を受けている。また、その署名を持参して9月7日に県知事および県議会議長に、翌日8日に折田汽船に要望書を提出している。町民、事業者が早期に屋久島航路のフェリー更新を望んでいる、大変重みのある声を訴える機会となったところだ。

フェリー屋久島2=Wikimedia Commons より

渡辺町議 いま7団体で、総数が1万4000。ただ、島内が5000人というのは少し低いと思う。まだ、やっていない方々に賛同いただけるような、そういう機会も作っていくべきではないか。このなかで、折田汽船に要望書を提出したというが、具体的にはどんな内容だったのか。少し私は違和感を感じている。

岩川副町長 まず島内5247人の件だが、署名集めをした関係団体によると、議会の日程に合わせて約2週間で集めたというところで、若干島民への周知が少なかったのかなということで聞いている。

折田汽船の方には公設民営の要望書もあったが、市丸株式会社として、今後の船のあり方をどう考えているのかという質問をした。市丸の社長から冒頭に「島民の皆様に心配をかけた」という謝罪の言葉もあった。

今後については、現在、折田汽船の方で中古船の購入を検討しているということで、国内数船、いま調整をしているという情報は得ている。ただ、どうしても船価が高いということで、いま50億円ともいわれている。一企業で、その金額を負担するのはかなり難しいということから、中古船で10年なり15年を走らせる、中古船を購入して、今のフェリー屋久島2の後継船にしたいというようなことだった。

最後に折田汽船の方から国に対して、官民一体となって航路の安定維持に向けた要望活動をしてほしいとのことだったので、この関係7団体と協議しながら、国・県へ要望していきたいと感じている。

渡辺町議 今後の展開について、今から議論しておく必要があると考える。業界提案の「公設民営」について改めて町長の認識を伺いたい。

岩川副町長 種子屋久高速船、折田汽船、岩崎産業から令和7年(2025年)12月に提示された公設民営の提案については、船舶建造にかかる価格が急騰しており、船会社だけの資金では更新が困難な状況にあることは理解をしている。しかし、公設民営制度は地方公共団体が船舶の保有主体となり、民間や三セク事業者に貸し渡しをする制度で、町・県のいずれかが船舶を所有する際に国庫30パーセントの補助、補助裏に過疎債等を充当できるようだ。しかし、唯一かつ赤字の航路が要件となっており、現在の枠組みであると経営も行政が行うことが想定される。仮に町単独で船舶を建造し維持管理することは、初期投資部分だけではなく、将来にわたって維持管理経費の負担を続けることとなり、フェリー太陽2のようにすべての欠損額が補填されるわけではなく、一定の地元負担が生じるものだ。

さらに船会社の提案する要請については、8割は種子島の貨物を運ぶフェリー「はいびすかす」の2隻の更新が対象となっているほか、フェリーと高速船を区別したサービス基準の見直しなども条件となっており、本町だけで解決できる内容ではない。何よりも郵送で送られてきた、真意が不確かな大きな提案であるので、広域行政を担う鹿児島県に行政と船会社が一堂に会し、お互いの条件整理を行う協議の場の設置を要請しているところだ。

折田汽船が後継船調達の主体となり、それに対する財政支援が最もスピードが速いと考えているので、令和9年度(2027年度)の国の概算要求において、国土交通省が有人国境離島地域を対象に船舶建造の支援を掲げているようなので、その内容の詳細にも注視しながら、早期の更新に向けて引き続き検討を重ねていきたいと考えている。

フェリー屋久島2=折田汽船ウェブサイトより

渡辺町議 有人国境という一つの財源も、可能性としては出てきたということを報告いただいた。いずれにせよ国が今定めている、(複数の航路が)競合する場合は、赤字航路には支援ができないという法律は時代遅れのような気がする。なので、この撤廃も含めて運動を進めていく必要があると思う。

そこで言えることは、町の負担は100パーセントだということだと思う。この辺は町民も含めて、私たちも覚悟と理解を深めていかなければならない。それを考えた場合、町が100パーセント負担するというのは、公設民営も、公設公営も、どちらがいいという壁がないということが言えると思う。これに副町長の理解はどうか。

岩川副町長 町としては公設民営の話の前に、今実際に事業者である折田汽船の意向を確認したいと思っている。まだ今、国の概算要求のなかで、補助制度が予算要求されているが、その予算が通った際に、例えば折田汽船が中古船を買う場合に国が補助できるのかどうか、町の負担に対して有利な起債が使えるのかどうか、そこが重要になってくると思う。今後、町長が離島振興協議会の会長をしているので、国に強く要望しながら、また突発的な長期にわたる欠航が続いた場合に、これまでも国に支援を求めているので、そういうところも含めて、予算成立した際には要望していきたいと思っている。

屋久島町役場=屋久島ポスト撮影

3 人口減に抗う政治姿勢について

渡辺町議 この課題を前に進める要は、町長の断固たる決意と職員や関係機関の自由な発想を保証する確たる財源の確保にあると確信する。町長の決意を問う。

岩川副町長 令和11年度(2029年度)までを期間とする「屋久島町第三期まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、人口減少に歯止めをかける取り組みとして、仕事の希望が叶う島、交流・移住で人と心が行き交う島、豊かに安心して子どもを産み育てられる島を基本目標に、関係課職員が知恵を出して取り組むこととしている。また、有人国境離島法案の延長は現実のものとなり、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金もさらなる制度拡充を予定し、80億円を超える予算を要望されているところだ。その他にも、人口減少対策に関連する補助金などは職員が活用に知恵を絞っており、持続的な取り組みとなるよう引き続き自主財源をねん出し、その取り組みには優先的に配分をしたいと考えている。

今年から保育園留学制度が始まったが、かなり多くの要望があったようだ。屋久島に関しては魅力がある島ということで、あとは移住を呼び込むための島のなかの体制づくりというところで職員が知恵を出し、それに必要な財源は調整をしながらやっていきたいと考えている。

「屋久島町第三期まち・ひと・しごと創生総合戦略」の概要版の一部=屋久島町ウェブサイトより

4 福祉充実について

渡辺町議 福祉の将来が厳しい。その中でも町の姿勢次第では前進できる分野もある。その一つと考える「障害者控除認定制度」について、漏れをなくすための徹底した周知と、町の配慮が重要と考えるが、町長の考えを問う。

岩川副町長 高齢化が進むなか、福祉分野における支援は重要なものと考えており、そのなかでも障害者控除対象者認定は、手帳をお持ちでない方であっても一定の基準を満たせば、税の軽減を受けられる大変重要な制度であると認識している。本制度は申請が必要であることから、対象となる方々やそのご家族への確実な情報伝達が不可欠である。現在もホームページや窓口において周知に努めているところだが、制度の存在を知らず申請が漏れてしまうことがないよう、さらなる広報に努めるとともに、税や介護保険担当部署とも緊密に連携を取りながら、要介護認定の申請時や個別の窓口対応の機会をとらえ、当事者の目線に立った徹底した周知と、きめ細やかな配慮に一層取り組んでいきたいと考えている。

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