屋久島町政

「Payどん」利用の物価高支援「次回は平等性を欠かないやり方にする」

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「県内四つの金融機関で利用でき、早期執行も可能であった」

町内と県内に「経済波及効果がある」

「キャッシュレス化を図るためにPayどんを活用した」

渡辺千護町議/町議会定例会 一般質問

【左】物価高支援で利用する「Payどん」について一般質問する渡辺千護町議【右】渡辺千護町議の一般質問に答弁する荒木耕治町長=いずれも2026年3月11日、屋久島町議会、町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の渡辺千護町議は3月11日の定例会で、物価高支援で利用する「Payどん」について一般質問をした。

渡辺町議の質問に対する荒木耕治町長ら町執行部の主な答弁は次のとおり。

渡辺町議:町がプレミアムポイント1万円につき2000円を付与するにあたり、なぜ鹿児島銀行のキャッシュレス決済アプリ「Payどん」の利用を決めたのか。キャッシュレス決済を選択するにあたって、検討の経緯と採用した理由を具体的に示してほしい。

荒木町長:物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金については、物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を支援するために、昨年12月の国会において補正予算として成立した。本町へ配布される交付金は約2億4600万円で、エネルギーや食料品価格等の高騰による影響を受けた生活者および事業者の支援が主な目的である。また、本交付金は可能な限りの早期執行によって生活者や事業者にいち早く届ける必要性が高い性質のものであることから、国の方針に沿って、昨年内での予算化に向けて検討をしてきた。

キャッシュレス決済アプリ「Payどん」については、プレミアム付き地域振興券として活用できるようすでにシステム化されており、また屋久島町商工会、屋久島観光協会など、4団体会長の連名でPayどんを活用した物価高対策の検討をしていただきたい旨の要望を受けていたので、これらの観点を総合的に判断のうえ採用した経緯だ。

第1に、町内の金融環境との整合性だ。本町において利用可能な金融機関はJA、銀行、郵便局が中心であり、町内にコンビニは存在していない現状である。Payどんは鹿児島銀行だけでなく、南日本銀行、鹿児島相互信用金庫、鹿児島信用金庫の県内四つの金融機関で利用できるもので、早期執行も可能であった。

第2に、行政との連携のしやすさが挙げられ、地域金融機関との直接的な連携によって町独自の還元率の設定や、制度変更への柔軟な対応が可能となる。

第3に、経済効果と地域内での循環がある。利用可能な店舗等は町内に限られていること、および地域振興券として利活用できるシステムが構築されていたことから、町内における経済波及効果はもちろんのほか、地域金融機関が主体となる仕組みを活用することで、決済に伴う経済効果を県内に留めることが可能となる。

以上のことから、物価高対策として町民の生活を支援しながら町内経済の活性化を図るとともに、キャッシュレス化の推進を同時に進める手法として、Payどんを採用したところだ。

鹿児島銀行の「Payどん」アプリを利用した屋久島町プレミアムポイントの案内チラシ

「商品券は印刷費や配布経費などがかかる」

渡辺町議:経済効果地域振興券という話も出たが、現金や商品券にするという提案は出なかったのか?

松田賢一・産業振興課長:過去に屋久島町の商工会が運営主体となって、紙ベースでの商品券事業を実施してきたが、印刷費であったり、配布にかかる経費のほか、販売・換金にかかる事務費を含む人件費がかさむうえに、人的な負担が増大するといった問題点から中止されてきた。今回、令和4年度にも行ったが、実績があったことからPayどんを活用した。

渡辺町議:事務方の負担軽減はよく理解できる。しかし、今回はそれ別物だ。他の地域もそうだが、早急にお金を渡したいことで、みんな地域の全住民を対象としている。やはり商品券が一番ベストだと私は思っている。それで、商品券をみんなに漏れなく渡そう、みんなに支援しようという話は出なかったんですか?

木原幸治・政策推進課長:各課の方からはそういう意見は出なかった。

渡辺町議:今回Payどんだが、町、町民、商店側へのメリットは何か?

松田・産業振興課長:経済効果の地域内での循環、それが第一に挙げられる。

Payどん利用者は1600人、最大で3000人分の支援を予定

渡辺町議:商品券の話は出なかったってことでわかった。

次に、現在Payどん利用者は町内に1600人のみで、全町民の8割から9割はその恩恵を受けられず、極めて不平等な事業となっている。他の多くの自治体では、全住民に一律に商品券や現金を配ろうとしているが、屋久島町はどのようにして平等性を確保するのか?

荒木町長:重点支援地方交付金の対象については、国から示された推奨事業メニューを地域の事業において、きめ細やかな取り組みを検討するよう通知されている。また、そのメニューの幅は広く、国が人口規模等で交付額を算定しているため、支援の規模や方法はそれぞれの市町村によって様々だ。

本町には2億4663万6000円が配分され、産業振興課では、国が求める早期執行の要請に応えるために、12月議会においてプレミアム商品券支援事業とポイントカード普及支援事業を基本計上し、議決をしていただいたところだ。

Payどんの利用数については約1600人であることは承知しているが、鹿児島銀行の個人口座の保有数は7000件以上であり、南日本銀行、鹿児島相互信用銀行、鹿児島信用銀行の個人口座保有者を含めると、さらに多くの方がPayどんを利用できる状況にある。本事業の実施にあたり、使い方をイラストなどで紹介したり、消費喚起の広報を行うことで、本事業の利用者は増加するのではないかと考えているところだ。また、本事業は過去の経済対策で実施した紙ベースでの商品券事業の教訓を踏まえたもので、国の通知にある事務コスト削減の考慮したものだ。

まず、プレミアム付き商品券の実施については、プレミアム部分に交付金を充当することで生活者の消費支援を行い、預金から購入いただく部分は地域の購買額が増加し事業者支援となることから、単に交付金を消費するよりも、その数倍の経済効果を得ることができると考えている。

また、紙ベースの商品券の支給を採用した場合、印刷費や配分費のほか、換金事務費や人件費がかさむだけでなく、人的負担も増大する。デジタル方式を採用することでこれらの経費を削減し、町民への還元額の増大にもつながる。

その他にも、本交付金を活用した物価高騰対策の支援として実施する屋久島ポイントカード会員普及支援事業では、商工会等で発行手続きをしていただければ、ポイントカード加盟店での支払いが可能となるポイントを配分する。

また令和8年度当初予算で計上をしているが、農林水産の一次産業への支援に加え、今回医療機関向けの支援を行うこととしている。

さらに、全ての生活者および事業者の水道料の基本料金の減免を6カ月間行い、公平な負担軽減と消費の下支えを実施することとしている。

渡辺町議:Payどんを実施するにあたって、どれぐらいの登録者数を見込んでいるのか?

川﨑勝也・産業振興課統括係長:登録者数は、今回上限額を5万円に設定しているので、3000名以上ということで予定している。

鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」のウェブサイト画面

荒木町長、Payどんアプリ「登録していない」

渡辺町議:3000人以上ですね。町長はPayどんアプリの登録はしているのか?

町長:登録していません。

スマホ持っていない人はいるが「キャッシュレス化を図る」

渡辺町議:年齢的にスマホを持ってない人、最も支援が必要な層の住民が支援金を受け取れない。余裕のある住民だけが恩恵を受ける仕組みで、平等性がないと思うが、それはどう考えるか?

松田・産業振興課長:携帯を持っていない方もいるとは思うが、キャッシュレス化を図っていくということを目的にもしているので、今回はPayどんを活用して事業を行っていくことを決めた。

渡辺町議:今キャッシュレス化と言ったが、国からの重点支援交付金は、町がキャッシュレス化を進めていくのとは全く別なものだ。キャッシュレス化を進めるために、Payどんにするというのは別の問題ではないか。

松田・産業振興課長:総合的に考えて、それを補填するという意味もあって、屋久島ポイントカード会の普及事業も併せて行っているところだ。

最高2万5000円還元、最低は0円

渡辺町議:大体3000人ぐらいという答弁があったが、携帯を持っている人は最大で5万円分買える。そうすると1万円につき4000円なので、5万円で2万円が還元される。それに対し、屋久島ポイントカードしか持ってない人は、最大で5000円しかもらえない。携帯電話と屋久島ポイントカードを持ってない人は、0円になる。この格差は何ですか?

これだったら全住民に一律に配ってほしい。おかしくないか。経済効果と言うが、みんなに配ったら、みんなで使える。もっと地域の経済効果ある。そう考えなかったのか?

松田・産業振興課長:商工会や観光協会、そういう経済団体などの要望も受けている。また、令和4年度にPayどんを活用した例もあり、なるべく早く住民に還元を与えたいということでPayどんを採用した。

渡辺町議:となりの中種子町は、0歳から全町民に2万円分を渡す。全世帯にだ。姶良市は商品券の500円分を買えば1万円分が還元される。県内に43市町村あるが、ほとんどが商品券だ。なぜ、屋久島だけこんなにハードルが高いのか。みんなが恩恵を受けられないのか。それを次はどうするか。町長はどう考えるのか。このまま、またPayどんでやるのか?

町長:利用者のことも十分にわかった。担当課長が説明したように、経済団体、様々なことがあって今回こういうことをやったが、今議員が言うのも当然なので、次回はおしなべて全ての町民に等しく行くようにしたい。事務経費や手間がかかったり、それはそれとして、そういうふうに平等性を欠かないようなやり方でやっていきたいと思っている。

渡辺町議:町長、その言葉がほしかった。町民はすぐ使える商品券がほしい。ハードルが高いのではなく、みんなに平等に。高齢者がたくさんいて、携帯持ってない。携帯持っていても、アプリを登録するのが難しい。そういう町民の声を聞いて、対策を取ってほしい。あと町民の意見もそうだ。Payどんを登録してない人ばかりだ。町としては、町民全体を考えて支援してほしい。

一部の報道によると、町はPayどんポイントの付与を2000円から4000円に引き上げることを決めている。ただ、2月初めに町内の事業者に鹿児島銀行から文書が届いているが、町議会で予算が承認される前に出すのは、議会軽視だと言わざるを得ない。

還元40%への増額、議会より先に事業者に案内「議会を軽視する意図は一切ない」

町長:昨年12月の令和7年第4回屋久島町議会定例議会において、本事業の実施について議決をされたところだ。その時点のプレミアム率は20%を予定していたので、1万円購入した場合、2000円分のポイントが付与されるといった内容だった。その後1月中旬ごろに、市町村が実施する事業に鹿児島県が補助する「鹿児島県生活者事業者応援プレミアム商品券」事業のメニューが示され、本町が進めていた本事業への上乗せが可能となった。県の事業を導入する際は本土で30%プレミアム、離島の場合は地理的要件等が考慮され、さらに10%加算の40%以上に設定することが条件であった。また、新たな消費を伴わない水道料金の減免や現金給付等は対象外だったので、プレミアム商品券事業の財源とすることにした。

12月補正予算後の段階では、プレミアム律20%、プレミアム金額4000万円を予定していたが、今後の利用状況ならびに経済効果を踏まえ総合的に判断した結果、ポイント付与率の見直しを検討した次第だ。

また、鹿児島県からの補助金を充当することで財源の一部が確保されるため、当初計画に対する差額分を他の事業に有効活用することも可能となった。今回の事業者への案内については制度設計の変更を見据えた事務的なもので、12月議会の補正予算ですでに議決を得た予算額の範囲内での周知であり、今後は本議会での補正額に合わせ実施するところだ。予算の執行にあたっては、議会の議決を前提とするものであるので、議会を軽視する意図は一切ないことをご理解いただきたい。

本交付金は生活者や事業者のための早期執行が重要であったことから、大変タイトなスケジュールで進める必要があったが、今後はこのような誤解を招かぬよう、議会へより丁寧な説明に務めていきたいと思っている。

渡辺町議:早く準備するのはわかるが、やはり議員に全員協議会を開いて報告すべきだったと思う。なぜしなかったのか?

松田・産業振興課長:スケジュール的に合わなかった。

渡辺町議:スケジュールが合わなかったと言うが、すごく大事なお金だ。それを議会に何も言わずに、それはいいのか。町民の代表で、予算審議する議員だ。そこに出さないで、先に事業者に出すというのは許されるのか?

松田・産業振興課長: 12月議会の補正予算で、すでに議決を得た予算額の範囲内での出資だ。ただ、20%の予定を40%で周知したということに対しては、説明が足りなかったと思っている。

議会より業者へ先の案内「説明不足で十分に反省している」

渡辺町議:予算額の範囲内だったらいいのか。20%と40%では大きく違う。それを議会が何も知らなくて、案内文を出すということに対し、私はおかしいって言っている。それは謝罪すべきだ。

松田・産業振興課長:20%を予定して、県の補正を使うことで、40%で周知した。それについては総額を超えてはいないが、議会のみなさんに説明が不足していたというのは、十分に反省をしているところだ。

渡辺町議:今後はしっかり全員協議会など会議を開いてほしいと思う。あと、残りの交付金はどれぐらいか?

木原・生活推進課長:残りは7500万円程度と承知している。

渡辺町議:残りについては、全額を全町民に平等に、商品券なりすぐ渡していただけるようにしてほしいと思う。平等に配れるように。

荒木町長:職員をかばうわけではないが、早く出したいという思いもあって、ちょっと前のめりでやった。だが議員が言うように、議会にもきちんと話をするようにやる。それは私も内部できちんと話をして、今後はそういうことがないように気を付けるようにしたい。

渡辺町議:平等に等しく、は?

荒木町長:やはり等しくやる方法をまた内部で協議をして、そのように実施をしていきた。

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