屋久島町政

【視点】屋久島町の物価高支援、なぜ「Payどん」などのハードルを町民に課すのか?

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南日本新聞報道、鹿児島県内の少なくとも18市町村が全住民や全世帯を対象に一律支援

屋久島町、屋久島ポイントカードとスマホなければ何も支援なし

担当課長、物価高対策なのに「キャッシュレス化を図る」

【左】屋久島町議会で重点支援地方交付金について説明する荒木耕治町長=2025年12月11日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより【右上】鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」のウェブサイト画面【右下】屋久島ポイントカード

物価高騰に対応する国の「重点支援地方交付金」をめぐる鹿児島県内の動きについて、南日本新聞が積極的に各市町村への取材を続けている。昨年12月30日付の記事<当然? 意外? これが物価高対策の現実…政府推奨「おこめ券」。採用自治体はいまだゼロ――商品券が大半、現金派も>では、全43市町村がどのような支援策を検討しているのかを詳細に伝えている。

大和村、全村民に現金2万円と商品券1万円分

そのなかで興味深いのは、昨年末時点で少なくとも18市町村が全住民や全世帯を対象にして、現金の給付や商品券の配布などを予定していることだ。金額が大きいところでは、大和村が全村民に2万円の現金給付と1万円分の商品券配布を予定しているほか、南種子町は全町民に電子地域通貨で2万3000万円分を付与するなど、多くの市町村が広く一律に支援しようとしていることがわかる。

南種子町の電子地域通貨カード「あば!Pay」

同紙がまとめた各市町村における検討状況の一覧をみると、「検討中」としているところも目立つため、さらに多くの市町村が全住民や全世帯を対象に支援するとみられる。

広く平等な支援とはほど遠い屋久島町

それに対し、屋久島町の支援策に「全町民」や「全世帯」を対象にしたものはなく、広く平等な支援とはほど遠い状況だ。

まずは「屋久島ポイントカード」への5000ポイント(5000円分)付与だが、これは屋久島町商工会が発行するカードを持っている町民だけが恩恵を受けられる支援策だ。カードを持っていない町民は商工会か加盟店で発行の申請をする必要があり、もし手続きをしなければ何も支援は受けられない。

屋久島町商工会が発行する「屋久島ポイントカード」

そして最も不平等を感じるのは、鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」のプレミアム付き「地域振興ポイント」(1万円につき2000円)の付与だ。この支援を受けたい町民は、自身の携帯電話にPayどんのアプリを入れる必要があり、当然だがスマートフォンを持っていない町民は対象にならない。もし、5人世帯で1台のスマートフォンしかなければ、1人分の支援しか受けられないことになる。

鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」のウェブサイト画面

なぜ、物価高騰に苦しむ国民への支援策なのに、屋久島町は屋久島ポイントカードやPayどんの「ハードル」を町民に課すのか?

どうして、県内の多くの市町村と同じように全住民や全世帯を対象にして、現金の給付や商品券の配布ができないのか?

町議「できる限り平等かつ公平に支援を」

昨年末の町議会で、一部の町議から「全町民に対して一律に商品券を配布するなどして、できる限り平等かつ公平に支援が届く方法にするべきだ」との意見が出されたが、担当課長の答弁は実に的外れだった。「キャッシュレス化を図ることが町の方針」だとして、Payどんの活用を決めたというのだ。

物価高対策なのにキャッシュレス化を推進する。鹿児島銀行から「ぜひ、この機会にPayどんのユーザーを増やしてください」と頼まれたのかと疑ってしまうほど、何とも不可解な支援策である。

おそらくだが、さらに全住民や全世帯を対象に支援する市町村は増えるだろう。今後の南日本新聞の報道に期待しながら、昨年末時点で全住民や全世帯への支援を予定している市町村の一覧を以下に示したい。いずれも同紙のまとめである。

鹿児島県内市町村の主な物価高対策の検討状況
(2025年12月23日時点、南日本新聞の調査より)

阿久根市:全世帯に商品券配布を検討

出水市:全市民に5000円分の商品券を配布

西之表市:全市民に1万円分の地域電子通貨を付与 4割プレミアム付き商品券を発行

曽於市:全世帯に1万5000円分の商品券を配布する方針

志布志市:全市民に商品券を配布とプレミアム付き商品券発行を検討

さつま町:全世帯に現金1万円給付とプレミアム付き商品券発行を検討

湧水町:全町民に現金給付か商品券配布を検討

東串良町:全町民に2万円分の商品券引換券を配布

錦江町:全町民に1万5000円分の商品券を配布

南大隅町:全町民に1万5000円分(75歳以上は2万円分)の商品券を配布

肝付町:全町民に2万1000円分の商品券を配布

中種子町:全町民に2万円分商品券(手法を検討中)

南種子町:全町民に電子地域通貨2万3000円分を付与

大和村:全村民に現金2万円給付と1万円分の商品券を配布

宇検村:全村民に現金2万円~2万5000円の給付を検討

龍郷町:全町民に1万5000円分の商品券を配布

知名町:全町民に2万円分の商品券を配布

与論町:全町民に2万円分の商品券配布を検討

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