石田尾議長の「詭弁」は裁判で通用するのか?【議会取材の自由を守る訴訟】
取材拒否の理由は「議長判断」
取材許可の理由も「議長判断」
具体的な理由説明なければ証人尋問へ

屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が市民メディア「屋久島ポスト」の議会取材を拒否したのは、「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」――。
この訴訟を2025年に5月に提起するまで、屋久島ポストと石田尾議長の間では、こんなやり取りが続いていました。
屋久島ポスト「なぜ、私たちの議会取材を拒否したのですか?」
石田尾議長「議長判断です」
屋久島ポスト「それでは、なぜ一転して議会取材を許可したのですか?」
石田尾議長「それも議長判断です」
屋久島ポスト「判断が変わった理由を聞いているのですが?」
石田尾議長「議長判断です。それ以上は回答を差し控えます」
具体的な理由を説明をしない石田尾議長
このやり取りを聞いて、「はい、わかりました」と納得する人はいないでしょう。なぜなら、石田尾議長が質問に全く答えていないからです。いくら「議長判断」と答えたところで、それは単に石田尾議長が「判断」したという事実を伝えただけで、取材の可否を判断した理由を説明したことにはなりません。
通常、行政機関が市民の権利を制限するには、その根拠となる法令に従うことになります。また、厳密なルールが存在しない場合は、なぜ制限をするのか、丁寧に説明する責任があります。
それにもかかわらず、その後も石田尾議長は「議長判断です」と言い続けました。そして、私たちはやむを得ず町議会を所管する屋久島町を相手取り、国家賠償請求訴訟を提起することことなりました。

弁護士まで「詭弁」で説明せず
ところが、2月12日にあった第4回弁論準備手続きで、私たちが同様の質問を町代理人の新倉哲朗弁護士に投げかけると、またもや同じ答えが返ってきました。
屋久島ポスト「石田尾議長に取材を拒否した理由を説明していただけませんか?」
新倉弁護士「それは議長判断です」
屋久島ポスト「それでは、なぜ一転して取材を許可したのですか?」
新倉弁護士「それも議長判断です」
こんな回答では納得できないため、私たちは強く訴えました。
「それでは理由説明になっていないので、私たちは提訴したのですよ」
石田尾議長と新倉弁護士の答えは、どちらも「詭弁」です。まともに答えたふりをしているだけで、実際には何も説明しておらず、質問をはぐらかしているだけです。
新倉弁護士にしてみれば、代理人として石田尾議長の言い分を伝えただけかもしれません。でも、法律家なのですから、こんな誰にでも見透かされる詭弁ではなく、もう少しまともな答えが返ってくると期待していました。
裁判で詭弁は通用するのか?
私たちは法律の専門家ではありません。でも、こんな詭弁が裁判の審理で通用するとは、とても思えません。それなのに、なぜ新倉弁護士は石田尾議長から聴き取りをして、取材を拒否または許可した理由を具体的に説明しないのでしょう。
何か不都合なことがあるのか。それとも合理的な理由が見つからないのか。
いずれにしても、次回の弁論準備手続きがある3月26日までには、何らかの文書が私たちに届くと思われます。そして、もし納得できる説明が得られなければ、石田尾議長の証人申請をして、直に法廷で問いただすしかありません。そうなったら、私たちも証人として証言台に立つことになります。
裁判4件、次々に住民と揉める屋久島町
ところで、もし証人尋問をすることになったら、代理人の弁護士がいない私たちはどうすればいいのでしょう。石田尾議長には、私たちが尋問すればいいのですが、原告に対する尋問になった場合は、誰が質問するのか。原告が2人いるので、お互いに質問し合うのか、それとも一方的に1人で話すことになるのか。
初めての本人訴訟なので、何もかもが未知数ですが、石田尾議長から具体的な理由を聴き出すためにはやるしかありません。
しかし、です。なぜ、ここまでしないといけないのでしょう。石田尾議長が具体的な理由を説明していれば、その後も話し合いで問題を解決することができたかもしれません。
いま現在、私たちの訴訟を含めて、屋久島町が抱えている裁判は計4件。こんな詭弁ばかり言い続けていれば、次々に住民と揉めるのは当然でしょう。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。
