フェリー屋久島2に代わる新船に「国が補助を出すように求めている」
永田川のヘドロ溜まりの悪臭「県と新しい方法を探っていきたい」
一湊川の砂防工事によるヤクシマカワゴロモへの影響「保全策を十分にとったうえでの計画」
「屋久島で安心安全な生活」のためにフェリー新造が最優先
渡辺博之町議/町議会定例会 一般質問

屋久島町議会の渡辺博之町議は3月11日の定例会で、「永田川のヘドロ問題」「一湊川の天然記念物指定のヤクシマカワゴロモと上流の砂防ダム強化工事」「航路問題」について一般質問をした。
渡辺町議の質問に対する荒木耕治町長ら町執行部の主な答弁は次のとおり。
永田川のヘドロ問題
渡辺町議:永田川で、特に夏場に強烈な悪臭を放つヘドロ溜りがある。町が毎年対応しているが、その場所は永田川の領域で、直接の管理者は県ではないのか。もしそうであれば、町の支出に問題はないのか伺いたい。
荒木町長:ご指摘の場所は向地区から注ぐ水路の放流地点となっており、その地点から永田川本流に合流するまでの区間は、本町が管理する領域と認識している。また今回、県屋久島事務所建設課に確認したが、双方これまでどおりの認識で間違いないことを改めて確認した。
よって本対応において、町支出で問題はないということになる。

渡辺町議:今の方式では、除去のための費用は恒久的で、かつ、悪臭で発生は避けられず、住民生活の快適性が損なわれる状況が未来永劫続くことになる。抜本的な対策が必要なのではないか。
荒木町長:私も現場を確認していなかったので、近日中に現場で状況を見てみたい。永田川の本流から分岐をして水流が少なく、土砂が堆積しているような地形になっている。向地区からの水路については、かつて永田郵便局付近から永田川本流に直接放流され、その場所に水門が設置をされていた形跡がある。そのルートについては、いつ頃の施工か不明で、現在は塞がれている。防災上の観点から洪水時の内水反乱を防止するために、現在の場所に変更されたのではないかと推測される。
そのようなことから、現時点では水路の放流先を再度変更することは困難な状況だ。今後は県屋久島事務所と協議をして、新しい方法があれば探っていきたい。
一湊川の天然記念物指定のヤクシマカワゴロモと上流の砂防ダム強化工事
渡辺町議:県は、砂防ダム工事がもたらすヤクシマカワゴロモへの影響について専門家の意見を聴取する動きを見せている。その前に、県は町の意見を求めていると理解しているが、どんな内容だったのか明らかにしてほしい。
石田尾行徳教育長:一湊川上流の砂防ダム強化工事は、令和7年6月9日に鹿児島県熊毛支庁屋久島事務所から現状変更申請がなされた。申請の内容は、一湊川1号堰堤の老朽化に伴う砂防堰堤の補修・補強工事と、工事に伴う河川内に生息するヤクシマカワゴロモの生息状況、ならびに水質状況のモニタリング調査を行う旨の現状変更許可申請がなされた。
町教育委員会としては、この現状変更によって、ヤクシマカワゴロモの一部喪失が見込まれるものの、事前に島外天然記念物が生育している自然石の移動やモニタリング調査を行うなど、保全策を十分にとったうえでの計画となっている。また、下流に位置する一湊集落の防災の観点からも必要な工事であるため、やむを得ないものであると考えるとの意見を付して、鹿児島県教育委員会経由で文化庁長官あてに進達を行い、令和7年7月18日付で文化庁長官から許可があったということになる。

渡辺町議:専門家に改めて意見を聞くという県の真摯な対応は、町のこれまでの対応を見直すべきという教訓を提示しているのではないか。当該の責任者だけに任せるのではなく、関係する機関や地元の市民グループや専門家からの意見集約に基づく判断にゆだねる方法をとるべきと考えるがどうか。
石田尾教育長:県から出されている現状変更申請ということになるので、町教委としては現状変更許可申請については、いわゆる正規のルートに則って、いろいろなことを進めている。今回の現状変更申請における文化庁からの許可書においても、事業実施の際には鹿児島県文化財担当部局の指導を受けることや、期間の延長および文化財に配慮した軽微な使用の変更を行う場合であっても、事前に計画変更書を提出し、再度文化庁長官の承認を得るように明記をされている。
従って本件については、地元の市民グループあるいは専門家からの意見集約を行う必要があるのは実施事業主体であるところ、例えば整備計画を策定する熊毛支庁屋久島事務所がすべきものであり、変更許可についても市町村が許可をするものではなく、文化庁で審議されたうえで決定されるということになる。文化財保護法にかかる現状変更申請については、市町村に審議会などの設置を求められていないことはご理解をいただきたい。
ヤクシマカワゴロモについては今後、県の対応の経過を待って町の事務処理上必要がある場合には、鹿児島県教育委員会と連携をしながら対応していきたい。
航路問題
渡辺町議:議会と町、および町民と一丸となって取り組むべき課題でそのためには正確な情報と問題解決の方向性などの共通認識を常に確認することが不可欠と考える。その視点で、まずフェリー屋久島2の後継船について、人も物も運ぶフェリー型の運航は絶対条件と考えるか。
荒木町長:私も議員と一緒で、フェリーが必要だと思っている。RORO船というのは、今私の思いのなかにはない。

渡辺町議:コスモライン、鹿児島商船の共同運航が最初に追求すべき方向だという町長の認識に変わりはないか。
荒木町長:議会に交通対策特別委員会ができた。これと一緒に、熊毛航路は高速船が建造から40年を過ぎているため、造り替えなければいけないという話が主流になり、コスモラインは高速船を造りたいという話をしている。
私は高速船より先に、フェリー屋久島2を新造する必要があると思っている。明日止まるかわからない船だ。屋久島で生活していくために物資を運ぶことから、今の時点でいうと高速船よりフェリー屋久島2が大事だ。高速船は6艇ある。1艇なくなっても、あと5艇は走れる。あと5年や10年は、現状で十分走れると思っている。一方の船会社は、新しい高速船を造らずに、あと10年は使えると言っている。また、一方は新しい高速船を造ると言う。ここが、そもそもおかしいと思っている。
私どもは、そういう高速船の話より先に、フェリー屋久島2の新船をいつまでに造るとか、あるいは中古船を新しくするとか、という話をする必要がある。今の船はいつ止まるかわからない。そんな状況で、屋久島で安心安全に生活をしろという方がおかしな話だ。私の立場からは、フェリー屋久島2をちゃんとしてくださいという話は常々申し上げている。
渡辺町議:その本格的な働きかけをいつからやるのか。その成就のためには、種子島の各首長、各議会、鹿児島県が足並みをそろえることが不可欠と考えるが、町長の考えはどうか。
荒木町長:コロナ前に一緒に造ろうという話があり、最終的なところまでいった。だが、最終的に持ち株の問題で話がなしになった。
そして熊毛では、種子島1市3町と屋久島には差がある。種子島にはコスモラインがある。ハイビスカスも種子島経由で来る。共同フェリーも2隻ある。物流に関しては、種子島は何の心配もない。一方、私たちはフェリー屋久島2が命綱だ。これがなくなると、今のハイビスカスは、8割は種子島の荷物を積んで、屋久島の荷物は2割しか積んでこない。なので、フェリー屋久島2が毎日来るということが、屋久島で暮らすためにはどうしても必要だ。私はそれを熊毛振興協議会で強く言っている。
なので、新しいフェリーを造らないなら、もう撤退してもらってもいい。新しく造れる会社があれば、単独航路であれば補助航路になるというのもある。町が負担してでも造ろうという気持ちがないわけではない。しかし、きちんとした姿勢があれば、私もその話に乗るが、それがないので、次の段階に行けないというのが今の現実だ。
渡辺町議:町民一丸となって取り組むことへの方策について何か考えていることがあるか。
荒木町長:議会に交通対策特別委員会もできたので、私は空港や高速船の問題より、フェリー屋久島2をいかに先に造るかという運動を、議会と一緒にやっていただきたいと強く思っている。
今度、新しい有人国境離島法が来年4月から施行される。自民党の有人国境離島法の大綱がまとまった。2月27日、私もそこに呼び出されて、自民党本部で会議に出たが、そこでフェリーが半年間も止まった屋久島の問題を強く伝えた。全国では建造から30年、40年のフェリーや貨物船がいっぱい走っている。有人国境離島法は、無人島をつくらないために10年前にできた法律で、島民の生活を守っていこうというのがこの法律だ。空港のない島もいっぱいある。船しかないところは、本当に船が命綱だ。海が荒れて、3日も4日も物資が届かない島がたくさんある。そういうところに安定的に物資を送るためにはどうするのか。そういうことも、有人国境離島法のなかで求めていきたい。
屋久島については、フェリーの新船を造ることにも国が補助を出すように求めている。そうでないと、もう民間業者ではできない。今フェリー屋久島2が造れないというのは、企業側の理論として、儲からないから造れないということだ。なので、儲からないのであれば、運航をやめてくれればいいと私は言っている。そうすると、また別の船の造り方があるということになる。だから今、国には新しい船を造る時には補助をするように求めている。おそらく次の法律のなかには、私がそれ加えて入れるので、そういうことができるように、議会と一緒に努力をしてやっていければと思っている。
