屋久島町政

「Payどん」物価高支援、全町1万1000人の約8割に恩恵なし

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事業費6000万円、町内2453人 町外488人に支援

渡辺千護町議「なぜ町外に販売する必要があったのか?」

荒木町長「今後は支援効果をより高める手法を検討する」

屋久島町議会6月定例会 一般質問

【上】鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」のロゴ【下】物価高騰支援の現金給付に関する渡辺千護町議(手前)の一般質問に答弁する屋久島町の荒木耕治町長(右から2人目)=2026年6月10日、屋久島町議会、屋久島ポスト撮影

物価高騰に苦しむ町民を助けるために、屋久島町が事業費6000万円を投じ、鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」を利用して付与するプレミアム付き「地域振興ポイント」(1万円につき4000円)の支援事業――。

荒木耕治町長は6月10日の町議会で、同事業で支援を受けられた町民は、全町1万1000人の約22%にあたる2453人で、支援額は約4615万円になっていることを明らかにした。一方、町外の在住者で支援を受けたのは488人で、支援額は約812万円。物価高に対する支援策であるにもかかわらず、全町民の約8割が恩恵を受けられていない現状が浮き彫りになった。

この日の町議会一般質問で、渡辺千護町議の質問に町長が答弁した。

「Payどん」を利用した物価高支援策について一般質問する渡辺千護町議(中央)=2026年6月10日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

町外の在住者に支援812万円

まず初めに渡辺町議は、「事業費6000 万円のうちどれくらいの金額がプレミアムポイントとして販売されたのか?」と質問したうえで、購入者数と支援額を町内と町外に分けて明らかにするように求めた。

答弁に立った荒木町長は、5月25日時点で2941人に販売され、支援額は計5427万8400円になっていると報告した。そのうち町内で販売されたのは2453人で、支援額は4615万6000円。その一方、町外への販売は488人で、支援額は812万2400円になっているとした。

スマホがない高齢者や子どもに支援なく「不平等」

これまでPayどんを利用した支援策をめぐっては、多くの町民が「スマートフォンを持っていない高齢者や子どもがポイントを購入できず不平等」「町外の人でも購入できるのはおかしい」などと批判。さらに全町1万1000人のうち約8割もの町民が支援を受けられていないことを踏まえ、渡辺町議は「なぜ町外に販売する必要があったのか?」と問いただした。

「Payどん」を利用した物価高支援策について答弁する荒木耕治町長(中央)=2026年6月10日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

荒木町長「Payどんに購入者を町民だけに限定する機能がなかった」

これを受け荒木町長は、この支援事業は「できるだけ多くの町民に利用してもらうことを目指した」と説明。だがPayどんのシステム上、購入者を町民だけに限定する機能がなかったことから、「結果として町外に住所を有する方による購入が一定数発生したものであり、町が町外販売を積極的に行ったものではない」と釈明した。

その一方で荒木町長は、町外への販売分が町民の生活支援になっていないことを認めたうえで、「今後、同様の事業を実施する場合には、今回の実施状況を検証し、町民への支援効果をより高める手法を検討したい」と述べた。

鹿児島銀行の「Payどん」アプリを利用した屋久島町プレミアムポイントの案内チラシ

荒木町長と全町議に抗議文が届く

町長の釈明を聞いた渡辺町議は、Payどんを利用した今回の支援策について、町民から「なぜ国の交付金を島外の人のために使うのか」「屋久島に住む町民のための支援ではないのか」といった不満の声が出ていることを報告。そのうえで、町民から荒木町長と全町議に届いた抗議文を読み上げた。全文の内容は次のとおり。

屋久島町 町長様 議員様

物価高騰対策支援事業について

本事業は昨年末に国策として決められ、本町にも約2億1000万円余の交付金が配布されました。

されども本町の施策等は余りに遅く、不平等、無定見で町民に過度の負担を強いるものです。その効果は期待できず、更に町民を差別し分断を招き、民主主義の原理に反し、基本的人権(平等、生存)を保障する憲法に反します。

以下、理由を述べます。

一 不平等

「キャッシュレスで地域を応援! プレミア商品券」「ポイントカード会普及支援」事業の実施により全町民1万1000余人中約 3000人の2万5000円受益者、約5000人の5000円受益者、約3000人の不受給者の不平等を生むと考察します。

不受給者の大多数は社会的弱者(高齢者、未就学児、病人、経済困窮者等)で、本支援策で第一に救済されるべき人達です。

二 無定見

本支援事業は、交付金の趣旨に鑑み、物価高騰対策一点のみに迅速に施策すべきです。

キャッシュレス・ポイントカード、子育て支援等の施策は他の財源で他の事業として実行すべき!

同時に実行する事により遅延を招き、町民に手続きや預金等、過度の負担を強いています。

また、本交付金にて前述の事業を実行する事は裁量権の拡大解釈で、町民に不利益となります。

本町の地理条件、社会構造を考察し、使用方法等についても考慮すべきで、その配慮が感じられません。

よって、以下を要望いたします。

天災、有事、パンデミック等に依り、本事業と同様のケースが今後たびたび起こると考えますため、マイナンバー制度を考慮した支給方法を構築して欲しい。

選良の皆様は当町のリーダーとして、ノブレスオブリージュの精神で当町が町民が誇りの持てる町にしてください。

以上

■物価高騰の支援策に対するご意見
屋久島町の物価高騰支援策について、読者のみなさまのご意見をお待ちしています。投稿は以下のURLからお願いいたします。
https://forms.gle/R9isoQ4JTZCJ6Tyd7

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