屋久島町に公益通報の外部窓口なし、2025年度は通報0件
町規程、不正行為を知らせる公益通報は「内部通報」のみ
機能不全の公益通報者保護法、兵庫県では外部通報した職員が自殺
町、外部通報は「法的に検討する」

屋久島町役場内における不正行為を知らせる「公益通報」が、2025年度は全くなかったことが町への取材でわかった。
この制度では通報者が特定されずに不正を通報できるとされ、免職や降格などを心配する職員らに配慮して、通報窓口を外部の弁護士事務所などに設置するケースもある。現在、町の窓口は総務課だけに設けられているため、同課は外部通報窓口を設置できるか否か法的に検討するとしている。
報道機関などへの外部通報も可能
公益通報とは、労働者らが勤務先や取引先などの不正行為を組織内部や外部の行政機関などに知らせる制度で、公益通報者保護法によって定められている。通報者の個人情報は厳重に保護され、解雇や免職、降格などで不利益な扱いを受けないように守られるとされる。だが、組織内の内部通報では通報者が特定される恐れもあるため、外部の弁護士事務所や行政機関、報道機関などへの外部通報も制度として認められている。
町の公益通報、2024年11月から運用
同課によると、町が「屋久島町職員等からの公益通報に関する規程」を定めたのは2024年11月で、それ以降に町役場内で公益通報の運用を始めた。だが、規程では内部通報の窓口が総務課に置かれている一方、外部通報に関する定めはない。また、町ウェブサイトなどで制度に関する情報提供をしていないこともあり、2025年度末までに通報は1件も届いていないという。
「犯人捜し」で通報者を特定する自治体幹部も
同制度をめぐっては、自治体幹部が通報者を特定するために「犯人捜し」をしたり、降格処分で左遷したりするなどの事例が相次いでいる。

2024年には兵庫県で斎藤元彦知事に関する「不正行為」を外部通報した職員が特定され、自殺に追い込まれるケースも発生したが、斎藤知事は同法が適用されるのは「内部通報に限定されるという考え方もある」と発言。それに対し、所管する消費者庁が「外部通報も対象となる」との見解を示すなど、実質的に同制度は機能不全に陥っている。
屋久島町で外部通報は認められるのか?
町の規程によると、公益通報は「内部通報」だけに限定され、次のように示されている。
<公益通報 職員等が、町又は職員等(退職者を除く。)について通報対象事実が生じ、又は生じるおそれがある旨を内部通報先に通報することをいう。>
町総務課の三角謙二課長は屋久島ポストに取材に対し、現在は外部通報に関する規定がないことを踏まえて、「外部通報の窓口については法的な面を検討したうえで、設置できるか否かを検討していきたい」としている。
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