やはり合理的な理由がなかった屋久島ポストに対する取材拒否
石田尾議長、陳述書で証人尋問を回避へ
一転取材許可の理由「議会動画のYouTube配信」「屋久島ポストを安定的に運営」
【議会取材の自由を守る訴訟】
※屋久島ポストは訴訟の当事者であるため、主観を入れた取材記の体裁にしています。

屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が市民メディア「屋久島ポスト」(共同代表・鹿島幹男、武田剛)の議会取材を拒否したのは、「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」――。
この訴訟の第7回弁論準備手続きが7月1日に開かれるのを前に、石田尾茂樹議長の陳述書が6月25日付で原告側に届きました。これは私たちが申請した石田尾議長の証人尋問に対し、それは必要ないとする被告町が提出したもので、この内容を踏まえて証人尋問が必要か否かが判断されます。
個別判断せずマスコミ各社だけに取材許可
いま訴訟で争点となっているのは、2021年12月から3年半にわたって禁止された議会取材が、なぜ2025年6月に一転して許可されたのかということです。
その理由について、これまで石田尾議長は「議長判断」と言うだけで、詳細な説明を拒んできました。また、議会取材を認める条件としては、鹿児島県庁記者クラブ「青潮会」の加盟社といった日本新聞協会などに入るマスコミ各社だと説明。それ以外の記者やメディアに関しては、議会の内容を正確に報道できる資質があるかどうかわからないため、個別に判断することなく、一律でマスコミの報道機関に限定しているとしてきました。

禁止から3年半、なぜ一転して許可されたのか?
そうなると、なぜ屋久島ポストが一転して許可されたのか、その理由がさっぱりわかりません。いまでも私たちは青潮会や日本新聞協会などに加盟していないので、石田尾議長が主張する許可条件を満たしていないからです。
これらの経緯を踏まえて、石田尾議長の陳述書をじっくり読んでみると、その疑問はさらに大きくなりました。
屋久島ポストは2025年4月、それまで3年半にわたって拒否されてきた議会取材について、拒否されるのを前提で、取材許可の申請書を町議会に提出しました。それに対し、石田尾議長は「議長判断」で可否を決めることはせず、議会運営委員会の議会に申請書を上げて、計7人の委員に判断を委ねたというのです。

「議長判断」ではなく議会運営委員会が可否を協議
その結果、屋久島ポストに取材が認められたのですが、具体的には次のような理由で許可されたそうです。
①屋久島町議会のYouTubeチャンネルで「町民以外の全国民が議会の様子をYouTubeで無料で見ることができる」ようになった。
②議会取材の可否をめぐり、屋久島ポスト共同代表の武田と議会の間で「新たに問題が発生した」ことがない。
③共同代表の鹿島と武田は「新たな屋久島ポストを安定的に運営してきた」実績がある。
YouTube配信が始まっても3年間禁止してたのに…
まず①にある議会動画のYouTube配信は、2022年6月から始まっており、その後も私たちは3年にわたって取材を禁止されています。その間には、口頭で取材許可を求め続けていましたが、すべて石田尾議長の判断で拒否されました。それにもかかわらず、なぜ急にYouTubeの動画配信が取材許可の根拠になるのか、その理由がわかりません。
ずっと議会取材の許可問題は継続しているのに…
次に②にある「問題」というのは、今回の訴訟と同じく、フリーランス記者として武田が議会取材を拒否され、その可否をめぐって議会と議論になったということです。その意味では、議会の取材許可について、全く同じ問題がずっと継続していることになります。それゆえに、これも一転して取材許可を出す理由にはなり得ません。
創刊から一貫して安定的に運営しているのに…
最後の③で指摘する「新たな屋久島ポストを安定的に運営」に至っては、何を言っているのか全く理解できません。私たちは2021年11月の創刊から何のトラブルもなく、一貫して安定的に報道を続けており、屋久島町議会だけでなく、国の中央省庁や鹿児島県庁などとトラブルになったことは一度もありません。
以上を踏まえると、これら三つの理由は、どれも一転して屋久島ポストの取材を許可する根拠には、到底なり得ないことは明らかです。
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不合理な説明が並ぶ陳述書
ここまで、一転して屋久島ポストに取材許可を出した町議会の「理由」について、石田尾議長の陳述書から紹介しましたが、極めて不合理な説明だと言わざるを得ません。つまり、そもそも石田尾議長には、屋久島ポストの議会取材を禁止する合理的な理由がなかったということです。
そして、この陳述書にはさらに不可解な説明が記されています。
次回の記事では、国庫補助金の不正請求事件が初めて議題となった2021年11月の町議会全員協議会で、屋久島ポストの取材が「特例」として認められた理由について、石田尾議長の陳述内容を紹介します。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。
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