屋久島町議会議長、議会取材を一転許可した理由を陳述へ

石田尾議長、記者クラブ加盟を絶対条件に取材の可否を判断
屋久島ポスト、禁止から一転許可も記者クラブは未加盟のまま
裁判官「そもそも禁止する理由がなかったのでは?」
【議会取材の自由を守る訴訟】
※屋久島ポストは訴訟の当事者であるため、主観を入れた取材記の体裁にしています。
屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が市民メディア「屋久島ポスト」(共同代表・鹿島幹男、武田剛)の議会取材を拒否したのは、「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」――。
この訴訟の第6回弁論準備手続きが5月7日にウェブ会議であり、取材禁止の判断をした石田尾議長に対して、今後の審理で証人尋問をするかどうかが話し合われました。
屋久島ポスト、石田尾議長の証人尋問を求める
屋久島ポストは4月28日に「証拠申出書」を鹿児島地裁に提出し、石田尾議長に対する証人尋問を実施するように求めていました。理由としては、おおむね次のような趣旨の内容を伝えています。
<石田尾議長は2021年12月から2025年4月まで、屋久島ポストの議会取材(撮影と録音)を禁止したのち、一転して許可するようになった。その後に屋久島ポストは、石田尾議長の判断が一転した理由について質問したが、議長からは「議長判断」である旨の回答があるのみで、具体的かつ明確な説明がなされることはなかった>

なぜ記者クラブ未加盟なのに許可したのか?
少し補足すると、屋久島ポストの取材を拒否した根拠として、石田尾議長は私たちが鹿児島県庁の記者クラブ「青潮会」に加盟していないことを挙げています。議会の様子について、屋久島ポストが正確かつ公平公正に伝える能力がある否かを判断することができないため、記者クラブに加盟していることを唯一の絶対的な条件にしたというのです。
しかし、それにもかかわらず、屋久島ポストは記者クラブに未加盟のまま、2025年6月の町議会定例会から議場での取材が認められています。もし、記者クラブの加盟だけが絶対条件であれば、私たちの取材は許されるはずがないのですが、石田尾議長は許可を出しました。そうなると、なぜ私たちが2021年12月から3年半にわたって議会取材を禁止されたのか、その理由がわからなくなります。

町代理人「これ以上は何も述べることはない」
この日の弁論準備手続きで、屋久島ポストはその点を強く訴えました。そして、証人尋問をすることによって、石田尾議長の判断が一転した具体的な理由を問いただしたいと伝えました。
ところが、町の代理人である新倉哲朗弁護士は、「これ以上は何も述べることはない」と言って、石田尾議長に対する証人自問の必要はないと主張しました。今回の訴訟における請求は、議会取材を「禁止」したことに対するものなので、一転して「許可」した理由を明らかにする必要はないというのです。

無理に証言を求めることはできない
この新倉弁護士の主張に対し、裁判官からは興味深い反応がありました。屋久島ポストが記者クラブに加盟していないことを理由に議会取材を禁止していたのに、それを一転して認めてしまったら、「そもそも取材を禁止する理由がなかったことになるのではないか?」というのです。
まさに指摘のとおりだと思い、屋久島ポストからは「その理由を確認するために、私たちは訴訟を提起したのです」と述べ、石田尾議長に真意を尋ねたいと主張しました。
ただし刑事裁判と同じく、相手方が「言いたくない」と思っている事柄について、証言を無理に強いることができないのは、民事裁判でも同じです。その点を裁判官は指摘し、「結果(判決)にどう影響するかは別にして、石田尾議長に説明する意思がないのであれば、証言を求める必要がない」という趣旨の見解を示しました。

「強く求めがあれば、石田尾議長は証言するつもり」
その結果、新倉弁護士が譲歩してきました。強く求めがあれば、石田尾議長は証言するつもりがあるので、まずは陳述書のかたちで書面を出すことを検討するというのです。
それなら「最初から陳述書を出せばいいのに」と言いたいところでしたが、そこはグっとこらえて、まずは石田尾議長の陳述書を待つことにしました。
次回の期日は7月1日。それまでに石田尾議長の陳述書が提出される予定なので、詳細な内容がわかり次第、速やかに記事で紹介したいと思います。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。
■屋久島町政への提言と意見
屋久島町政について、読者からのご提言やご意見をお待ちしています。以下URLのフォームから投稿をお願いいたします。
https://forms.gle/4jwVGJ144BYUYESYA
