屋久島町議会議長の「内心」を問いただす証人尋問は見送り【議会取材の自由を守る訴訟】
屋久島ポスト、取材可否をめぐる議長陳述は「事実に反する」と主張
町「議長判断の理由を説明する義務はない」
次回10月28日の期日で結審へ
※屋久島ポストは訴訟の当事者であるため、主観を入れた取材記の体裁にしています。

屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が市民メディア「屋久島ポスト」(共同代表・鹿島幹男、武田剛)の議会取材を拒否したのは、「表現の自由」などを保障した憲法に違反しているとして、屋久島ポストが町を相手取って提起した「1円訴訟」――。
この訴訟の第8回弁論準備手続きが9月9日にウェブ会議で開かれ、取材禁止の経緯などを説明した石田尾茂樹議長の陳述書に対し、屋久島ポストが議長の発言を記録した動画を根拠に「事実に反する陳述」などと反論しました。懸案だった石田尾議長の証人尋問については、これまで示された客観的な証拠で審理できるとして、見送られることになりました。

詳細は後日配信する原告側の反論要旨に譲りますが、陳述書で石田尾議長は、事実に反する、または、不合理な説明をしています。
議長、屋久島ポストに説明していない理由を陳述
例えば、国庫補助金不正請求の問題が初めて報告された2021年11月26日の全員協議で、屋久島ポストに「特例」で取材を認めた理由について、石田尾議長は「この問題の重大性を考えて」許可したと説明しています。しかし、議長と私たちのやり取りを撮影した当時の映像を見ると、問題の重大性を指摘する発言は一切なく、屋久島ポストを「報道とは認められない」と断じて、一方的に取材を拒否しています。そして、私たちが粘り強く交渉を続けたことで、半ば根負けしたかたちで、石田尾議長は取材を許可しました。

議会動画の配信開始で一転して取材許可!?
また、3年半にわたって取材を拒否したのちに、一転して許可したことについて石田尾議長は、議会の様子がユーチューブで配信されるようになったことを理由の一つに上げています。しかし、議会動画が配信されていることが、議会取材を許可する理由にはなり得ません。なぜなら、国会も議会動画を配信していますが、記者席のスペースが限られているなどの理由から、取材を認めているのは国会記者会に加盟しているマスコミ各社だけです。
つまり、各議会が議場での取材を許可するか否かは、それぞれの議会の事情に応じて決められているということです。

裁判長、これまで出された客観証拠で判断へ
この他にも石田尾議長の陳述書には、不可解な内容の説明が複数あり、私たちとしては議長から直接証言を求めたいと考えています。ですが、町代理人の新倉哲朗弁護は「議長の内心の問題」「議長判断の理由を説明する義務はない」などとして、議長の証人尋問は必要ないと主張しました。
それを踏まえ裁判長の判断となり、いくら私たちが「事実とは違う」と指摘しても、石田尾議長が「そう思っていた」と言えば、それ以上は問いただせないとして、証人尋問は見送られることになりました。そして、事実関係についての認定については、これまで出された客観的な証拠を基にすることになるので、もし町側が必要だと判断すれば、石田尾議長の証人尋問を申請するように伝えしました。
次回期日は10月28日午前10時。この期日ですべての審理を終えて、その後に判決になる予定です。
※「屋久島ポスト」は訴訟の当事者であるため、この【議会取材の自由を守る訴訟】については、記事の文体を「です、ます調」にしたうえで、主観を入れた体験取材記の体裁にしています。
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