ヒヨドリの農作物被害、昨年度は4200万円で「特にひどい」
農作物被害、シカ550万円 サル1500万円 タヌキ90万円
荒木町長、猟友会に依頼して趣味の畑に箱罠を設置「ものの見事に一頭かかった」
大角利成町議/町議会定例会 一般質問

屋久島町議会の大角利成町議は12月11日の定例会で、「有害鳥獣被害防止対策」「行政財産の管理」について一般質問をした。
大角町議の質問に対する荒木耕治町長の答弁は次のとおり。
1 有害鳥獣被害防止対策について
大角町議:令和6(2024)年度及び7(2025)年度上半期のシカ・サル・タヌキの捕獲頭数は。
荒木町長:再選、おめでとうございます。世のため人のため、そしてふるさと屋久島町のために、共にこれから頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、大角利成議員の質問にお答えをします。
本町の農業は、サル・シカ・タヌキといった獣類、およびカラス・ヒヨドリといった鳥類による農作物被害が頻発しております。農業振興上の大きな阻害要因となっております。
また近年では、世界遺産地域やその周辺でも、希少な屋久島固有の野生植物への食害が広がり、森林植生への影響も懸念をされるほど生態系被害が深刻化しているのが本町の現状でありますので、屋久島町鳥獣被害対策協議会を中心にその対策を講じているところであります。
ご質問のシカ・サル・タヌキの捕獲頭数は、令和6年度実績でシカ1868頭、サル630頭、タヌキ508頭でありました。令和7年度上半期実績では、シカ916頭、サル209頭、タヌキ153頭となっています。
大角町議:農産物等の被害状況はどのような状況か。
荒木町長:農作物の被害状況につきましては、平成26年度をピークに減少してきており、ここ数年ではサル・シカ・タヌキともに横ばいで推移をしておりましたが、令和6年度は全ての有害鳥獣において被害が増加しており、特にサルによる被害が急増している状況であります。
令和6年度の被害金額はシカ550万円、サル1500万円、タヌキ90万円となっています。
昨年度で特筆すべきこととしてヒヨドリによる被害がひどく、金額として4200万円の被害額を推計しているところであります。
大角町議:里地におけるサル個体数はどれ程と把握しているか。
荒木町長:残念ながらサルにつきまして、あるいはシカもそうですけれども、正式な数値は示されておりません。
ですが、作物の被害状況や目撃状況等からも、かなりの個体や群れが里地の近くに降りてきているというのは事実だと思っています。
特に前年度においては、8月に襲来した台風15号の影響によって、山岳地での餌不足も大きな要因と考えられ、その結果、里地での個体数の増加が農業被害の増加にもつながったと推測されるところであります。
大角町議:サルによる人的被害はないか。里地の住宅近辺のサル捕獲についてどのように考えているか。原区で整備されているサル大型捕獲施設を整備する考えはないか。
荒木町長:里地、特に住宅周辺でのサルの捕獲につきましては、銃器の使用ができない場所がほとんどであります。被害に対する具体的対策として、箱罠やくくり罠を中心とした罠による捕獲が効果的であることから、これまで年次的に捕獲機材を導入するなど、捕獲の強化を図ってきたところです。
また、被害の発生に迅速に対応するよう、猟友会の協力を得て巡視業務を、監視を行い、その対策に努めているところであります。
(中略)
サルの適正数がどれだけなのかわかりませんけれども、やはり棲み分けはきちんとしたいなと思います。
実は、私は趣味でポンカンを作っています。そこの電気柵も入れてあります。それを入れたころは単独ではいけなくて、2軒か3軒か一緒でないとできない事業だったらしくて。隣がやるからと言って、私の所はその付け足しみたいに入れてもらったところなんですけれども、実はもう隣がやめまして。(中略)要するに電気が全部流せないような状態になっている園も、屋久島のなかでもかなりあるんじゃないかと、私は思っております。
実は、今まで来なかったサルが去年来まして、ポンカン全滅でした。1個も穫れずに、全部サルが。(中略)かみさんがもうカンカンに怒っていました。もう、サルはどうにもならんみたいな話をしていまして。
それで猟友会にお願いをして、箱罠を設置していただきました。で、最近作った箱罠っていうのは結構大きい。一人で持ち運びができないぐらいの大きなやつでですね。猟友会の人たちも大変だろうなと思いながら、箱穴の設置をしていただきました。ものの見事に一頭がかかりました。
その前にですね、くくり罠をしてもらったんですけど、くくり罠は全然かからなかったですね。それから箱罠にして、それと柵の外にもう一つ、趣味が多いんですけど、趣味でシイタケ作ってですね。ちょうどシイタケが全部出たころにサルが来て、全部サルが、サル食べないんですよね。少しは食べるけど。全部ちぎって落としていくんですよ。そこら中。これ見るとですね、非常に残念ですよ。そういう思いもしながらサル対策っていうのは。
ですからその時も、そこにも一個また猟友会にお願いをして、二個設置をしてもらいました。まあ、一匹ずつは入りました。だけど、多分そんなに多い群れじゃないですよ。まあ5、6匹ぐらいの群れで、私らの周りにはいるんだろうと思います。それがあちこち出没をしていて、近くの人からはそんなふうに言われております。
だからなかなかサルに対する、今、くくり罠もなかなかうまくはいかない。だから、そういう大型の箱もの、銃器もなかなか使えない。となると、今言われるような原地区でやった、そういうものをぜひ近いうちに私も見に行ってですね。それでいいのか改良する点があるのか、地区の人たちの意見もちょっと聞いたりして、よりいい方向を探して。
これはもう屋久島にいる以上は、これはもう多分永遠のテーマになるんじゃないかと思います。
(中略)
先ほどのサルの話ですけれど、私は趣味でポンカンをこう作ってまして、自衛策としてポンカンをやめました。あと、酸っぱいやつに全部植え替えました。例えばレモンとか、シークワーサーとか、カボスとか、ユズとかですね。あれ食べないんですよ、さすがに。ですから、私みたいな趣味の間で作ってるのはそれでいいでしょうけど、やはりそれで生計を立てている人はどうしようもないですから、きちんとやっていかなければいけないと思っています。
今、鳥獣が原因とされる交通事故や、凶暴化したサルが人を威嚇するなどといった生活被害が断続的に発生をするなど、多岐にわたる問題が生じてきております。これまでに人命にかかわるような被害報告を受けてはおりませんが、このような状況が続いた場合、大きな事故につながっていくことが最も懸念をされるところです。
特に、子ども達が通学をする通学路にサルが出て威嚇をするという話もちょこちょこ聞いておりまして、それはそういうところで対応をまたしてやってますけれども、今後そういうことはきちんとやっていかなければいけないと思っています。
大角町議:町鳥獣被害対策実施隊員は何名任命し、活動状況はどうか。
荒木町長:町の鳥獣被害対策実施隊につきましては、産業振興課職員5名を任命しております。うち1名がわな猟免許を所有しているところです。
活動状況につきましては、猟友会との連携強化による箱罠の運搬および設置の補助のほか、カラス捕獲用の大型捕獲罠への餌の仕込み等を今現在行っております。
大角町議:被害防止を図るため、猟友会の活動支援を充実すべきと思うがどうか。
荒木町長:猟友会の皆さんには1年を通して捕獲対策にご尽力いただいており、特にこれからの季節は本町の主幹作物でありますポンカン・タンカンや、馬鈴薯の収穫時期となりますので、ますますの協力が必要となります。
現在、捕獲実績に対する補助金と、巡視業務に対する業務委託料を支出しているところですが、捕獲強化に対する新たな取り組みに対する支援を行う局面に来ていると認識をしております。
関係者の意見もうかがいながら、どのような支援が適当か検討をしてまいりたいという風に思っております。
大角町議:サンテ・防鳥網購入補助金の支給限度額を見直す考えはないか。
荒木町長:サンテや防虫網につきましては、主にヒヨドリによる被害を防除する効果が高いことから、購入費用の、今議員が仰っている3分の1を補助しており、前年度1名あたり3万円を上限として定めております。補助率および上限額の設定につきましては、限られた財源のなかで多くの農家に行きわたるよう、制度設計させていただいたところであります。
また、複数年にまたがり導入したいと言った農家の意見を反映し、年次的に導入を進めていくことができるよう、年度ごとに申請できる内容となっておりますが、ヒヨドリが多く襲来する場合など、大量に導入する必要に迫られる年もあることと思われますので、幅広く意見を集約したうえで財源等も勘案しながら、制度の見直しも含めて検討してまいりたいという風に考えております。
2 行政財産の管理について
大角町議:栗生夜間照明施設グランド整備用の乗用型草刈り機を購入する考えはないか。
荒木町長:現在、社会教育課が所管する施設の除草作業をしていただいている団体に関しましては、それに伴う燃料の現物支給による支援を実施し、乗用型草刈り機の使用を希望する団体には、町が保有する機械の貸し出しを行っているところでございます。
町が保有する除草に関する機械としましては本庁舎のほか、栗生小学校に自走式が、尾之間中央公民館裏倉庫に自走式、そして尾之間保健センター裏に乗用型草刈り機がございますので、現有機械の有効活用を図るという観点から、まずはこういった備品を活用していただくという方向で、利用団体の方にはご案内を差し上げているところでございます。
日ごろからですね、利用団体の方にはそういったかたちで丁寧に利用していただいて本当に感謝しているところでございますが、今後も除草作業につきましては同様に機械を貸し出すという方向で考えておりますことから、新たな乗用型草刈り機の購入については、現在のところ計画をしていないというところでございます。
