屋久島町政

旅行者アンケート結果「Wi-Fi環境やキャッシュレス決済の充実度が課題」

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保育園留学は1園で実施 特定乳児等通園支援は新年度内の実施を予定

空き家バンク登録増、移住者を増やすためには「喫緊の課題」

コミュニティバス「民間の路線バスが通っているなかで現実的ではない」

天辰絵美子町議 町議会定例会一般質問

【左】保育園留学や特定乳児等通園支援事業などについて一般質問する天辰絵美子町議【右】天辰絵美子町議の質問に答弁する荒木耕治町長=2026年3月12日、屋久島町議会、町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の天辰絵美子町議は3月12日の定例会で、「保育園留学、特定乳児等通園支援事業」「空き家バンク」「旅行者アンケート結果」「公営住宅の法定外貸し出し、払い下げ」「高齢者支援」について一般質問をした。

天辰町議の質問に対する荒木耕治町長の主な答弁は次のとおり。

保育園留学、特定乳児等通園支援事業について

天辰町議:保育園留学の進捗状況、開始時期等を伺う。また、特定乳児等通園支援事業について、開始時期、施予定保育園数、利用料等を伺う。

荒木町長:保育園留学事業については、現在事業の早期実施に向け各所と連携して調整を行っている。事業は保育園留学のノウハウをもった事業所へ委託する予定であり、遅くとも応募の多いとみられる夏休み時期には受け入れを開始できるように準備を進めているところだ。

なお、実施については複数の園から申請があり、審査の結果1園を決定した。また、先日は担当課において県内の先進地に視察に出向き、有益な情報を得てきたところなので、今後は事業開始に向け様々な検討をしていく。

次に特定乳児等通園支援事業については、いわゆる「こども誰でも通園制度」と呼ばれる事業であり、令和8年4月から全国一斉に開始される事業だ。

本町において希望する事業所を募ったところ、当初複数の園が実施する意向があったが、その後、職員配置状況と各園の個別事情により、4月から開始を希望する事業所はなかった。ただ、年度途中での開始を検討している事業所があるので、事業所と情報共有しながら早期実施に向け準備を進めていく。また利用料については、国の基準により1人1時間あたり300円程度を標準としているが、その額については事業所で定めることになっている。

なお、両事業とも令和8年度の実施に向け、今定例会において関連予算案や条例案を提案しているところだ。

空き家バンクについて

天辰町議:空き家バンク登録件数20件、移住者数年間200人目標に対し具体的な施策を伺う。

荒木町長:空き家バンク制度は、本町への移住を希望される方へ町に提供された空き家の情報を紹介する制度で、移住定住促進や空き家の有効活用、および地域振興を図ることを目的に実施している。

令和2年11月からこれまでに空き家バンクへ登録された物件総数は、賃貸52件、売買17件の69件。本町の移住を検討し、空き家を利用したいと登録された方は110件となっており、そのうち賃貸または売買の契約が成立したものは64件である。

現在、空き家バンクには売買物件2件が掲載されている。多くの移住を希望する方に来ていただくためには住居の確保は必須であり、賃貸物件をはじめ物件登録数を増やすことは喫緊の課題だ。そのため、全区長と空き家情報を共有する面談を実施するとともに、小学校区ごとに空き家バンク制度周知のための説明会を開催したところだ。説明会は各会場10名前後の参加ではあったが、説明会から空き家バンク登録相談につながっているので、登録物件増に向けて周知を継続して取り組んでいく。

また、過疎計画ならびにまち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げた移住者の目標値を達成するために、検討・連携をして移住支援事業や結婚新生活支援事業の周知をはじめ、年齢や家族構成など狙いを定めた移住イベントの開催、効果的な移住促進補助金制度の見直しに取り組んでいきたいと思っている。

屋久島町空き家バンクのウェブサイト画面

旅行者アンケート結果について

天辰町議:旅行者アンケート結果を踏まえた見解と今後の重点的に行う施策を伺う。

荒木町長:旅行者アンケートは毎年7月から11月までの5カ月間、島内の港および空港で本町の旅行体験についてアンケートを実施し、結果は町ホームページに掲載している。

アンケート結果から関東地方からの来訪が多く、来訪回数は初めてが約8割、宿泊数は2泊または3泊がそれぞれ約4割となっている。旅行体験に対する評価は概ね高い一方、電波状況が脆弱な過疎地・離島特有の課題、Wi-Fi環境やキャッシュレス決済の充実度に対する評価が低いことがわかる。

このアンケート結果や、町民ならびに事業者アンケートの結果を踏まえ、観光協会をはじめ関係団体との代表者、ならびに公募委員で構成する委員会で協議を重ねていただき、この度第2次屋久島町観光基本計画を作成したところだ。

アンケートから浮かび上がった町の観光ポイントとして、自然環境の保全と活用ならびに安全性の確保、利便性の高い観光地づくり、観光客数の適正化、観光消費額の向上、島内体制の構築の5つを挙げ、基本理念として世界自然遺産屋久島の価値創造、将来像として町に関わる全ての人でつくり上げる、世界に誇る再生型観光町づくりを掲げ、これらを実現するための施策として、持続可能な観光地づくりのための自然資源の保全と再生、リピーターを増やすための関係人口創出の取り組み、デジタル技術を活用した情報提供体制の確立やデータ活用、ならびにキャッシュレス化の推進などに取り組んでいく。

以上の取り組みを進めることで、観光を通じて町民の暮らしや地域がより良くなったと実感できる観光施策が町民に広く支持されるようになること、地域経済への観光の貢献度を高めるため個人旅行客の消費額単価の増額、町外入込数の増加を目指していく。また、屋久島空港滑走路延長によって見込まれる、航空路線の安定化拡充と相乗して効果を増大できるよう取り組んでいく。

観光は地域の経済を支える重要な産業であると同時に、島の魅力を世界に発信する手段であるので、地域住民・事業者・行政の協同により、屋久島憲章やエコツーリズムの理念を大切にしながら、町民一人ひとりがかけがえのない自然や文化、暮らしに誇りを持ち、心豊かな観光地づくりに力を注いでいきたいと思っております。

第2次屋久島町観光基本計画書の表紙(左)と荒木耕治町長のあいさつ文

公営住宅の法定外貸し出し、払い下げについて

天辰町議:具体的な時期・件数、貸し出し対象者等を伺う。

荒木町長:公営住宅の目的外使用や地域対応活用においては、特例運用の趣旨であるため、国の通達により本来入居を阻害しないこと、使用は原則として1年間であることなどの条件がある。国との事前協議においても、一定の期間を要し、内容のチェックも非常に厳しく、現在のところ当該制度を活用する予定はない。

しかしながら町としては、令和6年8月に町営住宅管理条例施行規則の一部改正を行い、単身入居者を受け入れるための制度を緩和したところだ。制度改正から1年半あまりが経過し、もうしばらく単身者の応募や入居の状況について経過を観察する必要はあるが、単身者の入居の募集に関して、さらに応募しやすい条件整理の検討を進めていくことにしている。

なお、住宅の払下げについては、現在、永久保団地の2棟について手続きを進めているところだ。これについては、令和8年度の上半期を目途に事務を進めていきたいと考えている。

高齢者支援について

天辰町議:免許返納した人やバス停までいけない方のためのコミュニティバスの運用等対策今後の対策を伺う。また、高齢者サロンや地域包括支援センターとの連携等、ACP(アドバンスケアプランニング)を踏まえた施策を伺う。

荒木町長:屋久島町においては、70歳以上の高齢者および運転免許証の返納者を対象として、年間4000円の負担で路線バスを利用できる制度がある。コミュニティバスの運用については、現状民間の路線バスが通っているなかでの運行は民間利益を損ない、町の財源を使うという費用対効果を考えても、現実的ではないと判断をしているところだ。

全国的に、また鹿児島県内でも、路線バスの撤退という地域があるなか、屋久島では今もなお、永田から栗生まで町民および観光客の利用に供されている民間路線のバスが通っている。昨今の交通事情のとおり、運転手不足、利用客の減少という大きな課題を抱えているのは確かであるので、屋久島町地域公共交通活性化協議会において交通会社とも協議し、運転手不足の解消や利用客の増加を目標にし、交通会社各社の経営存続を図られるよう取り組んでいるところだ。また、この法定協議会は五つの分科会に分けて、分野ごとの課題解決に向けた協議検討を行っているところだ。特に地域住民分科会では、自分で店に行って買い物をしたい、病院に行きたいなどを友人や知人に頼って対応をしているのが現状のようで、道路運送法に規定する公共ライドシェアの実施可能性について、協議検討をいただいている。

しかし一方では、社会福祉協議会が買い物支援のために、使用していない時間に協議会バスを貸与する取り組みを行っても、取り組む集落は1団体だけのようだ。ニーズが少数・限定的であることや、多様化していることで使いにくいのではないかと思う。さらに有償でのコミュニティバスは、運転手の確保や収益などの持続性に課題もあることを踏まえて、引き続き地域住民分科会で検討を継続することにしている。

次に本町における高齢者支援については、住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせる町づくりを基本理念に取り組んでいる。高齢者サロンについては、介護予防・フレイル予防のみならず、孤立防止や見守り機能を担う重要な地域の拠点と認識している。これまでと同様に地域包括支援センターと連携して、運動や交流活動、健康相談や出前講座などのさらなる充実に努めていく。包括支援センターは高齢者支援の中核機関として、総合相談、権利擁護、介護予防ケアマネジメントなどを実施している。サロン活動などで把握された心身の変化や生活課題を早期に共有する体制を整え、必要な支援へ円滑につなげていく。

またACP、アドバンスケアプランニングについては、人生の最終段階における医療ケアについて、本人の意思を尊重するための重要な取り組みであると認識している。医療機関や介護事業所と連携しながら、高齢者サロンなどの身近な場所を活用し、堅苦しくない形での啓発や対話の機会を設け、自然な形でACPの理解を深めていきたいと考えている。

今後も包括支援センターを中心に、医療、介護、福祉、地域が一体となった支援の体制を構築し、高齢者が安心して暮らし続けられる地域づくりに取り組んでいく。

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