【取材後記】町民不在の物価高支援、屋久島町は鹿児島県内の「落ちこぼれ」
鹿児島市は全市民に5000円ギフトカード、それでも市民から不満の声
県内43市町村のうち8割が全住民に一人ひとりに支援
屋久島町の支援策、全町民を対象に予算計上せず

新しい年度が始まった4月2日、屋久島町民から見れば、とても羨ましいニュースをFNNプライムオンラインが報じた。
国の「重点支援地方交付金」で物価高騰に苦しむ市民を助けようと、鹿児島市が全世帯に1人あたり5000円分のVISAギフトカードを配布するというのだ。対象となるのは、子どもからお年寄りまで合わせた全市民の約58万人で、4月末から世帯ごとにギフトカードが郵送される。
鹿児島市のギフトカード、手続きなく全市民に一律郵送
鹿児島県全域を見わたせば、1~3万円の現金や商品券を全住民に支給する市町村が多数あるなかで、5000円分のギフトカードという鹿児島市の支援はかなり見劣りする。
FNNの報道によると、80代の市民は「すぐなくなると思う。たった5000円だったって気がした」と不満を漏らしたという。また、70代の市民は「いただけないよりは、いただけるのでありがたい」と言って、やや妥協交じりの評価だったそうだ。
だが、市民一人ひとり一律平等に支援が届くというのは、それでもありがたいことだろう。何の手続きもなく市役所から郵送され、受け取った日からすぐに使える。VISAに加盟している店舗であれば、どこでも利用できるというから、百貨店から個人商店まで幅広く使えそうだ。

屋久島町のPayどん支援、全町民の9割近くが「蚊帳の外」
それに比べて屋久島町の支援策はといえば、町民一人ひとりに届く支援はなく、見劣りどころの騒ぎではない。
まず、鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」を利用した支援事業では、1万円につき4000円分のプレミアムポイントが付与されるというのだが、恩恵にたどり着くまでには数々のハードルがある。
1人1台のスマートフォン、お年寄りや子どもには煩雑なネット上での続き、鹿児島銀行など4銀行に口座を持っていること……。
そして極めつけは、Payどんアプリの利用者が町内に1600人しかいないことだ。そもそもの段階で、全町民1万1000人の9割近くが「蚊帳の外」で、大半の町民を置き去りにした支援策なのである。

屋久島ポイントカード、町民3000人は最初から相手にされず
今後、町は屋久島町商工会が発行する「屋久島ポイントカード」の利用者に5000円分のポイントを付与する予定だが、これにも大きな問題がある。
このカードを使っている町民は6000人ほどで、利用できるのは個人商店に限られている。さらには、事業費の予算額は最大で8000人分しか確保しておらず、残り3000人の町民は最初から相手にされていないのだ。
鹿児島県内、大半の市町村は全住民を対象に予算確保
屋久島ポストの取材によると、鹿児島県内の全43市町村のうち、全住民に現金または商品券(地域通貨ポイント含む)を一律に支給する自治体は、全体の約8割となる33市町村。また残りの10市町のうち、屋久島町を除く9市町は紙のプレミアム付き商品券を販売しており、その大半が全住民に販売できる予算額を確保している。

荒木町長へ、町民は「今すぐ」の平等支援を待っています
屋久島町の支援策をめぐり、3月の町議会で批判を受けた荒木耕治町長は、「次回はすべての町民に等しく(支援が)行くようにしたい」と答弁したが、その「次回」がいつなのかを明確にしなかった。
そこで、多くの町民は荒木町長に質問したいであろう。
全町民を平等に支援する「次回」はいつなのか?
米国とイスラエルのイラン攻撃で、中東情勢は先が見えない状況が続いており、今後もさらなる物価高騰が見込まれている。
そんな状況のなかで、荒木町長がいう「次回」は「今すぐ」しかない。
このままでは、屋久島町は町民不在の町政運営を続ける自治体として、鹿児島県内の「落ちこぼれ」になってしまうだろう。
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