屋久島入山協力金、7年連続の赤字で累積額は1億3560万円
2025年度は2940万円、2017年度の6530万円から半分以下に
赤字転落、2019年発覚の3000万円横領事件以降から
観光まちづくり課、キャッシュレス決済「PayPay」導入で対策

世界自然遺産・屋久島の山岳環境を守るために使われる「山岳部環境保全協力金」(入山協力金)が7年連続で赤字に陥っていることが、屋久島ポストの取材でわかった。
2025年度の収納額は約2940万円(2026年2月末時点)で、最盛期だった2017年度の約6530万円から半分以下に減少。山岳トレイの管理費などに支出したのは約5460万円となり、約2520万円の赤字になった。
2019年に入山協力金の横領事件が発覚して以降、協力金の収支はマイナスが続いている。過去7年間で累積した赤字額は約1億3560万円で、すべて町の公費で補っている。
中学生以上を対象に日帰り1000円、山中泊2000円
入山協力金は世界自然遺産・屋久島の山岳環境を保全するため、登山者に任意で納入を求める制度で、町の「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金条例」に基づき2017年3月から始まった。
対象は縄文杉や宮之浦岳などがある「奥岳」に入る中学生以上の登山者で、金額は日帰りで1000円、山中泊で2000円。集まった協力金は、主に避難小屋トイレのし尿搬出や登山道の整備などに使われ、当初は年間で約6530万円が集まっていた。

累積赤字1億3560万円、町は一般財源で補填
ところが2019年2月、町や国、鹿児島県などでつくる「屋久島山岳部保全利用協議会」(会長・荒木耕治町長)の会計担当職員(当時)が約3000万円の協力金を横領していたことが発覚。その後は協力金を管理する「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全基金」の残高がなくなり、毎年1000万円~2700万円ほどの赤字が続くにようになった。
そこで、町は不足分を一般財源で補填してきたが、累積した赤字は過去7年間で計約1億3560万円になっている。

担当課「新型コロナウイルスの影響も大きい」
入山協力金を担当する町観光まちづくり課によると、2025年度に収納した協力金は約2940万円(2026年2月末時点)で、前年度の約3200万円と比べて約260万円の減少。その一方、山岳トイレの管理費などの支出は約5460万円で、最終的に約2520万円の赤字となった。
過去7年間にわたって赤字が続いていることについて、観光まちづくり課の有馬寿二・統括係長は「横領事件後に収納額が減っているのは事実だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も大きい」としたうえで、登山者の理解を得て収納率を上げる必要があると指摘。今年2月からはキャッシュレス決済サービス「PayPay」での支払いにも対応するなど、収納額を増やす対策を取っているという。
入山協力金が赤字に転じた2019年度以降の収支状況は次のとおり。
2019年度
収納4549万8549円-支出6258万4043円+基金繰入金91万4127円+弁済金560万円=▲1058万367円
2020年度
収納1877万1112円-支出4769万3164円+弁済金1210万円=▲2772万2052円
2021年度
収納2122万6226円-支出4539万1515円+弁済金1210万円=▲2296万5289円
2022年度
収納3032万2755円-支出4865万5977円+弁済金1210万円=▲1664万2511円
2023年度
収納2933万6313円-支出6034万3168円+弁済金1210万円=▲1890万6855円
2024年度
収納3208万996円-支出4567万1296円=▲1359万300円
2025年度(2026年2月末時点)
収納2941万5663円-支出5463万6764円=▲2522万1101円
2019~2025年度の累積赤字:1億3562万8475円(※全額を町の公費で補填)
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