なぜ、屋久島町立図書室は「読売新聞」だけを町民に読ませるのか?
町内2カ所の図書室、いずれも読売新聞だけの購読を長期継続
鹿児島の地元紙「南日本新聞」も閲覧できず
屋久島ポスト、町に読売のみ購読の理由説明を求める

屋久島町内に2カ所ある町立図書室で閲覧できる新聞が、少なくとも過去7年間にわたり、「読売新聞」だけだったことが屋久島ポストの取材でわかった。予算不足で1紙だけに限定するのであれば、鹿児島県の地元紙である「南日本新聞」にするのが妥当と思われるが、2カ所とも購読したことはなかった。
公立の図書館と図書室では、設置者である地方自治体が「地域の特性」に重点を置きながら、「多様な意見の図書や資料をバランスよく収集する」ことが求められている。屋久島ポストは6月19日、町総務課に読売新聞だけを購読し続ける理由を説明するように求めた。

過去7年、読売新聞だけの購読で計約58万円支出
町の情報公開制度で開示された記録文書によると、町内にある宮之浦図書室と尾之間図書室が2019~2025年度に購読した新聞は各1紙で、いずれも全国紙の読売新聞だった。7年間の購読料は計58万3200円で、2025年度は1部3800円を2カ所で購読して9万1200円を支出した。
2017年ごろまでは朝日新聞も購読
その一方、鹿児島県の情報を詳細に伝える地元紙の南日本新聞が両図書室で購読された記録はなかった。また屋久島ポストの取材によると、2017年ごろまで尾之間図書室では朝日新聞が購読されていたが、その後は読売新聞に切り替わり、町内2カ所の図書室で閲覧できるのは読売新聞だけになった。

公立図書室「多様な意見の図書が読める」はずなのに……
公立の図書館や図書室は、社会教育法と図書館法に基づいて設置されている。図書や資料の選定については、特定の主義主張に偏ることなく、多様な意見の図書や資料をバランスよく収集することが求められる。また、設置者である地方自治体に応じて、各地域の歴史や文化、産業、行政などに関する図書や資料を重点的に収集するとされる。
予算不足で1紙だけなら「南日本新聞」では?
これらの点を踏まえると、予算不足で複数の新聞が購読できないのであれば、鹿児島県内の情報を詳細に伝える南日本新聞を購読するのが妥当と思われる。また、地元紙に加えて全国紙を購読する場合でも、町内2カ所の図書室で別々の新聞を購読するなどして、可能な限り町民が多様な言論に触れる機会を確保する必要がある。

自民党元幹事長の森山議員、国政報告会で読売社説を配布
一般的に読売新聞は保守的な論調で知られ、政府や政権与党の自民党に近いとされる。2025年5月に開かれた「森山裕国政報告会」では、その当時、自民党幹事長だった森山裕衆院議員(鹿児島4区)が読売新聞の社説をコピーした資料などを配布。荒木耕治町長や石田尾茂樹議長を含めた聴衆250人に対し、読売社説の論調を紹介したうえで、消費減税に反対する旨の主張をした。

町総務課「所管の社会教育課への聴き取りを踏まえて説明する」
町立図書室が読売新聞だけを購読し続けていることを踏まえ、屋久島ポストは6月19日に次の質問を町総務課にした。
1 なぜ、町立図書室で「読売新聞」だけを購読し続けているのか? その理由と経緯の説明を求める。
2 予算不足で1紙の購読に限定されるのであれば、鹿児島県の地元紙である「南日本新聞」にするのが妥当と思われるが、町としての見解は?
この質問に対し、同課の担当者は「図書室を所管する社会教育課への聴き取りを踏まえて説明する」としている。
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