屋久島町図書室、2016年度途中に朝日から読売へ変更「発行部数が一番多いから」
担当職員、新庁舎建設反対運動の最中に「なぜ、朝日なのか?」
反対運動を詳報する朝日から 全く報じない読売に変更
地元紙も未購読「全国紙を読みたい町民が多い」

屋久島町内に2カ所ある町立図書室で閲覧できる新聞が、少なくとも過去7年間にわたり「読売新聞」だけに限定されている問題をめぐり、町は6月25日に屋久島ポストの取材に対し、その理由として「発行部数が日本で一番多い新聞だから」と答えた。
2016年度の途中で、新しい役場庁舎建設の反対運動を積極的に報じていた「朝日新聞」から読売に購読紙を替えた理由は、「担当職員から『なぜ、朝日なのか?』と疑問の声が上がり、国内で最も売れている読売に替えた」と説明。鹿児島県の地元紙「南日本新聞」を置かないのは、「予算不足で1紙に減らすなかで、町民から全国紙が読みたいという声が多かったため」とした。

2016年当時の社会教育主事の職員が疑問「なぜ、朝日なのか?」
宮之浦と尾之間にある両図書室を所管する社会教育課の川﨑勝也課長と、元教育総務課長で当時の社会教育課長補佐だった計屋正人・社会教育課係員が取材に答えた。
2人の説明によると、記録文書が残っていないため正確な年代や経緯は不明だが、以前の図書室では南日本新聞と朝日新聞の2紙を購読していた。
その後、予算削減のために南日本1紙にしたが、町民から「南日本は各家庭で取っているので、全国紙を読みたい」という声が多くあったとして、南日本から朝日に変更。続いて2016年度の途中で、図書室を担当する社会教育主事の職員から「なぜ、朝日を購読しているのか?」と疑問の声が上がり、課内で検討した結果、発行部数が一番多い読売に替えたという。

屋久島ポスト「年度途中に朝日を急に止めるのは不自然では?」
2016年度は新しい役場庁舎の建設計画に対し、高額な事業費を問題視した住民団体が反対運動を続け、荒木耕治町長のリコール(解職請求)運動に発展。町内に記者がいた朝日新聞はその経緯を詳細に報道する一方、読売新聞は問題が大きくなるまで全く報じていなかった。
それを踏まえ、屋久島ポストは「2016年度の途中、それも新庁舎建設の反対運動が続くなかで、その報道を積極的にしている朝日の購読を急に止めるのは不自然ではないか?」と質問した。

当時の課長補佐、発行部数は「朝日が一番だと思っていたが違っていた」
これに対し、計屋係員は「新庁舎問題とは全く関係なく、図書館を担当していた社会教育主事の職員から『なぜ、朝日を購読しているのか?』と疑問の声が出たため、課内で検討した」と説明。個人的には「発行部数が一番多いのは朝日だと思っていたが、調べると読売が最も多いことがわかった」として、朝日から読売に切り替えたという。
岩川副町長、当時の担当課長として「全く把握していなかった」
これらの経緯について、当時の社会教育課長だった岩川茂隆副町長は取材に対し、「図書室の購読紙が切り替わったことは全く把握していかった」という。また、何か職員に指示した記憶もなく、「新庁舎問題は全く関係ないと思う」と話した。

読者「朝日から読売にするように指示があったと聞いた」
その一方、屋久島ポストには読者から次のような投稿が届いている。
<ずいぶん以前ですが宮之浦図書室にも朝日新聞が置かれていました。
ある時から読売に切り替わってしまったのですが、屋久島町の職員から「朝日と南日本新聞は庁舎建て替えで町に批判的なので読売にするように上からの指示があった」と聞きました。
ここは西部劇や時代劇に出てくる悪徳保安官や悪徳代官が仕切る田舎町かと嫌な気持ちになったことを覚えています>
年度途中で購読紙の変更は極めて不自然
新聞購読に関する町の記録文書は7年前の2019年度分までしか残っておらず、それ以前の経緯や状況について正確に検証することはできない。ただし2016年度の途中で、急に担当職員が「なぜ、朝日を購読しているのか?」と言い出し、最大の発行部数を理由に読売に切り替えたという経緯は、極めて不自然だと言わざるを得ない。
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