屋久島町政

【視点】人口急減が招く閑古鳥の屋久島、町トップに求められる抜本策

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荒木町長、初当選から15年で約3000人減少も抜本策なし

急減しても具体策なく「屋久島にしかないオンリーワンの魅力を追求」

東京便の就航めざし滑走路延伸も「誰が観光客をもてなすのか?」

上空から望む屋久島=屋久島ポスト撮影

2015年の国勢調査で屋久島町の人口は1万2913人となり、それまで25年にわたって続いた1万3000人台を初めて割った。前回2010年の1万3589人からは676人減り、減少率は5%。1993年の世界自然遺産登録後に始まった移住ブームに陰りが見え、それまで安定していた町の人口が大きく減少に転じ始めたのである。

だが、2016年3月の町議会定例会で、新年度に向けた施政方針説明に臨んだ荒木耕治町長に危機感はなかった。

「屋久島にしかないオンリーワンの魅力を追求し、その価値を高め、地方創生の実現に向かって挑戦してまいります」

前年10月に無投票で2期目を迎えて気が緩んでいたのか。町長が発する言葉に具体性は何もなく、町議16人が座る議場には楽観的な雰囲気が漂っていた。

2016年度に向けた屋久島町の施政方針について、荒木耕治町長が説明した町議会3月定例会の本会議=2016年3月8日、屋久島町尾之間

荒木町長「一定水準の人口を保つだけの雇用の場が確保」と楽観

町の将来人口を楽観視する姿勢は、荒木町長の1期目から始まる。2011年10月の初当選後、初めて迎えた翌年3月に開かれた町議会の施政方針説明で、町長はこんな私見を語っていたのだ。

「屋久島町においては、定住人口の増加はないけれど、一定水準の人口を保つだけの雇用の場が確保されている」

ところが、それから14年後の2026年。町の人口は1万693人となり、荒木町長が在職している間に約3000人もの町民が姿を消した。2030年には初めて1万人の大台を割る見込みだが、人口減に歯止めをかける有効な対策は打たれていない。

2016年度に向けた屋久島町の施政方針について説明する荒木耕治町長=2016年3月8日、屋久島町・尾之間支所の議場

町の将来を切り開く先見の明なし

町長になって15年。新たな移住者を迎え入れる対策が、後手に次ぐ後手に回った結果である。その詳細については、2026年10月21日付の記事<【視点】迫る人口1万人の大台割れ、移住ブームにあぐらをかいた屋久島町長>に譲るが、屋久島町の将来を切り開くうえで、荒木町長に先見の明がなかったということである。

人口が減り 縄文杉も倒れてしまったら……

その一方、荒木町長が「1期目から力を入れていた」と自負するのは、屋久島空港滑走路の延伸工事を国と県に働きかけることだ。現在より500メートル長い2000メートルの滑走路になれば、東京・羽田空港からジェット機の直行便が就航し、大勢の観光客が訪れるのではないかと期待を寄せている。

航空機から望む屋久島空港の滑走路=屋久島ポスト撮影

だが、滑走路の延伸工事が完成するまでには、これから10年前後はかかる。そして、その間に人口が1万人を大きく割り込み、高齢者ばかりの町になってしまったら、誰が国内外から訪れる観光客をもてなすのか。さらには、縄文杉だけに頼る現在の観光形態から脱却し、町長が言う「屋久島にしかないオンリーワンの魅力」を伝える新たな観光資源を生み出さなければ、せっかくの東京便はガラガラで空席ばかりになるだろう。

屋久島観光を象徴する縄文杉=屋久島ポスト撮影

町から人がいなくなり、やがて観光の目玉である縄文杉が倒れてしまったら、観光業で生きる屋久島町の将来はどうなってしまうのか?

世界自然遺産の島に閑古鳥の鳴き声が響きわたる前に、屋久島町のトップには抜本的な対策を打ち出すことが求められている。

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