屋久島町政

「第二、第三の縄文杉」世に出していくつもりない【屋久島町長記者会見】

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発見60年「縄文杉が生き続けることが、屋久島のためになる」

一流がたくさんある島、一極集中にならない観光をめざす

屋久島の象徴となっている縄文杉

屋久島町の荒木耕治町長は6月8日、屋久島ポストや南日本新聞などが要請した記者会見に応じ、町政を取り巻く諸問題について各記者の質問に答えた。

三つ目の質問となった「縄文杉発見60 年」について、荒木町長が話した主な内容な次のとおり。

記者:屋久島観光の象徴である縄文杉が発見されて60年の節目を迎えている。地元自治体の町長として、発見60 周年に対する受け止めと、縄文杉に代わる「第二、第三の縄文杉」の観光活用について具体的なビジョンを説明していただきたい。

発見されて60年となる縄文杉について話す荒木耕治町長=2026年6月8日、屋久島町役場、屋久島ポスト撮影

「縄文杉があったから世界自然遺産になったのではない」

町長:縄文杉が発見されて60年というと、私が高校2年生の時だ。5月に発見されて、(そのあとの)夏休みに仲間5、6人とすぐ見に行ったことを覚えている。

特別60年だからといって、今のところは何かをやる計画はない。ただ、世界自然遺産になって、屋久島が観光地としてやってきたのは、縄文杉が一番の広告塔になったことは紛れもない事実だ。

私たちはかねてから言っているが、縄文杉があったから世界自然遺産になったのではないと。全島の21%にあたる世界自然遺産エリアの中に、たまたま縄文杉という老木があって、それをうまくエージェントあるいは皆さんが一つの広告塔みたいにした。やはり皆さん、長生きしたいとか、長寿とか健康でいたいというのがあるので、そういう意味で大きな役割を担ってきたのだろう。

だから私が今思うのは、第二、第三の縄文杉とかではなくて、この杉をいかに長く、いかに大事に育てていくかということだ。

この30年間、いろいろなことやって失敗もある。最初、砂か土かを入れたら根が変になったり、それをまた全部出したりとか。そういうことを繰り返しながら、いろいろなことをやってきた。

命あるものは必ず尽きるわけで、尽きるまでは一生懸命、自分たちでやれること、大事なことはやろうと、私は思っている。

大勢の観光客でにぎわう縄文杉の観察デッキー2009年5月撮影

「今よりも豊かな環境を子や孫に渡していくのが私の責任」

記者:前回の記者会見で、町長が「第二、第三の縄文杉がある」と言ったことを踏まえて、この質問をしている。「屋久杉の巨木を晒しものにしていいのか」など、いろいろな議論があると思う。ただ一方で、やはり新たな「観光の目玉」として活用するというのも一つの考え方だと思い、今回の会見で聞いている。

町長:このクラスは何本もあるというのは、実際に私も議員時代に見ている。まだ、生き生きとして、(縄文杉よりは)少し小さいかもしれないが、ほぼ同程度のものは何本もあると思っている。

ただ、それらを世に出すというより、この30年間に縄文杉に集中したので、観光客を分散させようということで、里のエコツアーをつくったりして、一極集中にならないようにしてきた。

だから、縄文杉が代表だというが、屋久島は「世界の屋久島」だ。山にしても、森にしても、川にしても、海にしても、砂浜にしても。すべて一流だと思っている。屋久島はそういうたくさんのものが一つになって評価されている。

なので、屋久島は自分たちのではなく、世界の屋久島だと思っている。世界中の人に来てほしい、見て学んでほしいというのもある。ただ、オーバーツーリズムにはならないように、きちんと数は制限していかなければならない。自然を守るということが、まずは第一だ。今よりも豊かな環境で、豊かな森で、この島を自分たちの子や孫に渡していくことが、今の私の責任だと思っている。

縄文杉の特大写真パネルを前に記者会見する荒木耕治町長(右端)=2026年6月8日、屋久島町役場、屋久島ポスト撮影

生気がない縄文杉私も心配

記者:つまり「第二、第三の縄文杉」があるとしても、それ世に出していくというようなことは、今のところはないということか?

町長:今は考えてない。縄文杉が枯れたらどうするかと、皆さんは極論みたいに言う。

記者:いつかは倒れると思っているので。

町長:倒れるのは、倒れるだろう。

記者:ご存知だと思うが、縄文杉の中は空洞になっている。

町長:私は10年見ていない。町長になって、すぐ見に行った。一度は現状を見ておきたいと思い行った。言葉が不適切かもしれないが、生気がないっていうか、昔見たのとは全然違うなと思った。

記者:心配しているということか?

町長:私も心配している。やはり一日でも長く、この杉が屋久島で生き続けることが、屋久島のためになると思っている。

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