屋久島町政

宮浦小・中央中の高台移転、他校の統廃合を含めて「慎重かつ丁寧に進める」【中馬慎一郎町議 一般質問】

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町人口1万707人、減少率は熊毛最高「総合的に対応していきたい」

小中の高台移転先は「宮之浦の町総合グラウンドが望ましい」

教員超過勤務、過去4年で小学校8時間 中学校4時間 それぞれ短縮

【右】関係人口創出の取り組みなどについて一般質問をする中馬慎一郎町議【左】中馬町議の質問に答弁する荒木耕治町長=いずれも2026年6月9日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

屋久島町議会の中馬慎一郎町議は6月9日の定例会で、「関係人口創出の取り組み」「教育行政」「教育行政」について一般質問をした。

中馬町議の質問に対する荒木耕治町長ら町幹部の主な答弁は次のとおり。

1 関係人口創出の取り組みについて

中馬町議:現在、本町が進めている関係人口創出のための政策について見直しと考える点や課題について伺う。

人口減対策、今年度は「スポットワークの掘り起こしの事業」

荒木町長:関係人口は、移住人口や観光でお越しになる交流人口とは異なった考え方で、地域課題の解決に係るパートナーとして、人材不足等を補っていただく方々と考えている。陸続きの地域であれば対象になる方も多いと思うが、本町にとっては関わり方をきっかけに定住していただくことをめざしている。

関係人口の創出にあたっては「第三期まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、多様な働き方など、仕事の希望が叶えられる支援を行い、地域産業を支える人材確保のために取り組むこととしている。

なお、本計画は令和7(2025)年度を初年度に、令和11(2029)年度までの方針なので、現時点で大きな見直しはないと考えているが、令和7(2025)年度に実施した国勢調査人口の速報値が発表され、本町は1万707人と前回調査より1151人減少し、減少率は県内で22番目、熊毛地域では最も高くなっている。このことを踏まえて、人口減少に歯止めをかける施策に取り組むこととしている。

なお、本年度はスポットワークの掘り起こしの事業に着手しており、移住を希望される方や観光客が関係人口に転換される可能性があると期待している。また課題としては、人口減少と同様に住宅問題と働く場の提供にあることは変わりないと考えているが、地域との対話環境の構築など、ソフト対策についても総合的に対応していきたいと思っている。

上空から望む屋久島=屋久島ポスト撮影

中馬町議:地方創生2.0の取組として関係人口創出のため国が進める以下の2点について伺う。まずは「ふるさと住民登録制度」について。

荒木町長:「ふるさと住民登録制度」は総務省が進める居住地以外にふるさと住民として登録をする仕組みだ。国は東京圏一極集中を是正するために、地域に人の流れを創出することを目的としているが、ガイドラインが示され、これからの取り組みであることから、不明な点が多いことが現状だ。

アプリで登録作業ができ、会員差や可視化が図られるようだが、顔の見えないふるさと住民と地元住民との間にかえって壁を作ってしまうような懸念もある。今後の本格運用に向けて情報収集をし、国の動向や先進自治体の事例を注視しながら、有効に活用できるよう取り組んでいきたいと考えている。

中馬慎一郎町議の質問に答弁する荒木耕治町長=2026年6月9日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

中馬町議:二地域居住促進については、いかがか?

荒木町長:二地域に拠点を持って本町で生活や事業をされている方は、多数いらっしゃることは認識している。

昨年、国土交通省離島振興課の担当者が来島し、「屋久島コリビングみなと」の現地視察が行われ、現状課題を伺う機会となった。行政の立場としては、都市部での仕事のつながりを持ち続けていただけることで、本町への何らかの相乗効果が生まれることを期待するところだが、交通費の関係などで、結果的に移住をされたとのことだ。

二地域拠点の維持について、現在のところ町が促進のために交通費や居住地を提供することについては、個人の判断によることが大きいことから、慎重に進めていく必要があると考えている。

2 教育行政について

中馬町議:学校教育施設の維持管理について。宮浦小学校、中央中学校移転方針に伴い、町内学校施設の整備方針について伺う。

石田尾行徳・教育長:宮之浦小学校、中央中学校の高台移転については、本年2月に開催された議会全員協議会の折に、担当課から説明させていただいたところだ。

ご質問の移転方針に伴う町内学校施設の整備方針については、まず宮之浦小、中央中の高台移転方針に伴い、令和3(2021)年度から令和16(2034)年度までを計画期間とする「学校施設長寿命化計画」において、令和7(2025)年度から令和8(2026)年度に整備予定とされていた同小中学校の大規模改修を見送り、突発的な危険を伴う大規模改修を除き、必要最小限の修繕で現在対応しているところだ。

その他の町内学校施設の整備については、同じく整備計画の第2期、これは令和7(2025)年度から令和10(2028)年度になるが、令和9(2027)年度に岳南中学校の体育館を、令和10(2028)年度に金岳小中学校体育館を整備予定とし、整備が済んでない学校についても、第3期以降において年次的に整備をしていくということとしている。

また、学校施設長寿命化計画に基づく整備のほか、「学校施設バリアフリー化計画」に基づくトイレ・スロープ等の設置等についても、年次的に行っていく計画としている。

宮之浦総合グランドなどがある高台の町有地(中央上)への移転方針が決まった宮浦小と中央中(中央下)=Google Earth より

中馬町議:宮之浦小、中央中の高台移転に関しては、保護者へのアンケートの結果も踏まえてということで聞いている。

確かに経過年数でいうと、もう60年近く経っている宮之浦小などの移転は、改修なども含めて検討していかなければいけない時に、防災対策からも高台移転という話が上がったと認識している。経過年数でいうと永田小学校も、これが令和7(2025)年だったか、令和6(2024)年だったかの時点で、57年の経過年数が経っている。一湊小も51年の経過年数が経っている。

そしてまさしく昨日、津波の注意報が出て、中央中と宮之浦小は屋久島高校に避難したと聞いている。昨日の津波の件で、一湊小は屋上に避難した。永田小は避難施設が低いところにあるので、もう小学校に待機していたと聞いている。休み? 休みになったんですか。保護者が迎えに来たということですか。あ、昨日はそうでしたか。すいません。勘違いでした。

まあそういうふうに、いろいろな学校で、やはり津波の避難ということで様々な行動が行われていたと聞いた。で、この小学校と中学校の高台移転、宮之浦小の高台移転に、こういう避難についての、防災対策についての見識が強いのであれば、これを進めるにあたっては、当然海抜の低い一湊小、永田小、また地域住民の防災面からも、そういった地域への、なにかアイデアを出しながらやっていかなければいけないと思っている。

当然、宮之浦小が移転する時には、この長期総合計画のなかにも小中一貫校の導入とか、また地域の学校の統廃合とかも当然話はあるんだと思っているが、それとは別に、やはりその地域にとって大事な学校がなくなるかもしれないという議論を、そういう防災面も含めて議論を進めてほしいなと思っている。永田小や一湊小の件は、まだ後の話になるかもしれないが、そのあたり教育長の考えを伺えればと思う。

石田尾教育長:今回の件は、あくまでも宮之浦小と中央中の高台移転、まあ結局これは、宮之浦小の建築年度が1962年なので、もうすでに64年が経過しているということで、島内で一番古い校舎ということになる。それに伴い、防災面からも高台に移転した方がいいのではないかということ、それから移転するのであれば、屋久島高校もある、総合グラウンドも。総合グラウンドの方で、小中高で一貫して教育活動ができる、そういった環境づくりがふさわしいのではないかということで、あそこの場所、今の町総合グラウンドに建設をしていくことが望ましいとされている。仮に中央中と宮之浦小以外の小学校の児童が、あるいは保護者が、地域が、新しくできる校舎で学びたいというよう要望等があれば、その統廃合の意向も含めて、慎重かつ丁寧に進めていかないといけないと思っている。

中馬町議:給食センター統合について進捗状況を伺う。

給食センター3施設は一つに統合へ

石田尾教育長:新学校給食センターの建設については、先程の高台移転と同様、2月に開催された議会全員協議会の折に説明させていただき、島内3施設を統合することについて、ご賛同をいただいたところだが、基本計画の方が今月中に完成する予定となっている。この基本計画の完成を待って検討委員会を立ち上げ、施設の再編を含め協議検討していくこととしている。

検討委員会の委員には、全員協議会の出席議員からも要望があった議会代表にもお願いすることとしており、最も重要となる事業手法についても、このなかで協議していくことになる。

また民間活力によるものではなく、現在の直営を堅持する、いわゆる自治体による従来型をという要望もいただいているが、民間事業者を導入することで、課題である調理員等の確保が解消されることも考えられるところなので、事業手法別のメリット・デメリットを十分検討したいと考えている。

中馬町議:校務DXとICT教育について。統合型校務支援システム運用事業を開始してから、教職員の超過勤務時間は減少しているか。

石田尾教育長:本町では、令和2(2020)年度から校務支援システムとして、「See-Smile」「スズキ校務」等を運用しているところだ。これらのシステムを活用することにより、児童生徒の日々の記録、健康観察簿や出席簿の入力、通知表や指導要領の作成、高校入試のための調査票など、日々の文書作成やデータ管理など、多くの業務を一括して行うことができるため、業務改善に大いに役立っている。

令和3(2021)年度以降の屋久島町全体の小中学校教諭の超過勤務時間の平均時間はいずれも減少しており、小学校教員については令和3(2021)年度に31時間だった平均超過時間が、令和7(2025)年度には23時間となっており、中学校教員については令和3(2021)年度に36時間だった平均超過時間が、令和7(2025)年度には32時間となっているところだ。

関係人口創出の取り組みなどについて一般質問をする中馬慎一郎町議=2026年6月9日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

タブレット導入で学力に変化なし

中馬町議:タブレットを導入してからの町内小中学校の学力調査への変化は見られるか。

石田尾教育長:本町では令和2(2020)年度からタブレットを各学校に配備し、どの学校のどの教室でもタブレットを効果的に活用した授業が行われているが、タブレットの導入が学力調査に与える変化については、現時点では大きな変化は見られないところだ。

中馬町議:タブレットの活用における生成AIのガイドライン作成状況を伺う。

石田尾教育長:生成AI(人工知能)の活用については、教育現場における学びの質の向上や公務の効率化につながる可能性がある一方で、著作権や個人情報の取り扱い、誤情報への対応など、慎重な配慮が求められる課題もあると認識している。

本町教育委員会としての生成AIに関するガイドラインの作成状況については、現時点では町独自としての、各学校に一律に示すガイドラインというのは作成していないところだ。一方で国においては、文部科学省が初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインというものを示しており、また鹿児島県教育委員会においても、これを踏まえた「未来を創る鹿児島『教育の情報化』推進プラン」というものがあるが、そちらの通知がなされているところだ。

本町教育委員会としては、これら国・県のガイドラインや通知内容を踏まえ、各学校に対しては情報モラルや情報活用能力の育成の観点から、生成AIの適切な利用について理解を深めるよう指導助言を行っている、そういった段階だ。

今後については、国や県の動向、そして他自治体の取り組み状況、さらには学校現場の実情を十分に踏まえながら、町としてどのようなかたちで整理周知することが望ましいのか、引き続き検討していきたいと考えている。

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