物価高支援の事業費、「Payどん」と「商品券」で屋久島町民への還元率はほぼ同じ
屋久島町「商品券は印刷費などの経費負担が大きいためPayどんを採用」
2022年度の「まちなかチケット」、事務経費は事業費の7%でPayどんと同程度
商品券は全町民に一律配布、一方でPayどんは一部町民だけに恩恵

物価高騰に苦しむ町民を助けるために、屋久島町が鹿児島銀行のキャッシュレス決済サービス「Payどん」を利用して付与するプレミアム付き「地域振興ポイント」(1万円につき4000円)の支援事業で、事業費約6360万円のうち、事務経費と鹿児島銀行の決済手数料(1.5%)の合計が約450万円になることが、屋久島ポストの取材でわかった。
町民を支援するにあたり、紙の商品券ではなくPayどんを採用した理由について町は、商品券の印刷費などを含む事務経費の負担が大きいためだと説明。だが、2022年度に実施した商品券「まちなかチケット」(全町民に一律配布)による支援事業でも、事業費約6111万円に対して、印刷費などを含めた事務経費は約405万円で、今回のPayどんと同程度の金額だった。
町民から批判「不平等な支援」「全町民に商品券を配るべき」
Payどんを活用した支援事業をめぐっては、Payどんアプリを使うためには1人1台のスマートフォンが必要なことや、Payどんの利用者が全人口の1割半ば(1600人)に留まることなどから、多くの町民から不満の声が出ている。
それを受けて、3月議会で渡辺千護町議は「極めて不平等な支援策」「全町民に紙の商品券を平等に配るべきだ」などと批判。一方、産業振興課の松田賢一課長は、紙の商品券は印刷や配布などの事務経費が増大するため、Payどんの採用を決めたと答弁していた。
この議会答弁を踏まえて屋久島ポストは、紙の商品券を発行した過去の支援事業について取材。その結果、今回のPayどんを活用した事業と比べても、事業費に対する事務経費の金額がほぼ同じだったことがわかった。

Payどん、事業費6360万円に対し手数料含む経費は450万円
まず、今回のPayどんを活用した支援の事業費は約6360万円。そのうち事務経費は約360万円で、町は鹿児島銀行に業務委託をして、町民に案内のチラシを配布したり、「Payどん 使えます!」と書かれた宣伝用の幟旗を商店などに配ったりした。
さらに今回の事業では、プレミアムポイントとして消費される6000万円に対して、決済額の1.5%となる手数料90万円が鹿児島銀行に入るため、事務経費と手数料の合計は約450万円に。事業費6360万円に対する割合は約7%になる。

商品券、事業費6111万円に対し印刷費などの経費は405万円
次に2022年度に実施した支援事業をみると、町は事業費に約6111万円を計上して、町内で使える5000円分の商品券「まちなかチケット」を全町民に一律配布。事業費6111万円のうち、商品券の印刷や配布などの費用を含めた事務経費は約405万円で、事業費に対する割合は約7%だった。

鹿児島銀行への手数料を含めれば同じ還元率
この二つの事業を比較すると、事業費から町民に還元される割合は9割程度となり、どちらもほぼ同じであることがわかる。
ただ、Payどんを活用した今回の事業は、表向きは1.5%の決裁手数料が事務経費に含まれていないため、一見すると還元率が高いように感じられる。しかし、町内で6000万円が消費されれば、Payどんに加盟した商店などは決済手数料として計90万円を支払うことになり、全町民に商品券を配布した2022年度の事業と同じ還元率になる。

荒木町長、Payどんで「町民への還元額が増大」と言うけれど……
Payどんを活用した支援事業について、3月議会で批判された荒木耕治町長は、次のように答弁した。
「デジタル方式を採用することで経費を削減し、町民への還元額の増大にもつながる」
だが、実際には事務経費は削減されず、Payどんを採用したために、ごく一部の町民だけを支援する結果となっている。

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